読書日記「百年の孤独」
だいぶ前にも書いたと思うが、貸金業者の貸付利率は、利息制限法という法律に大きく違反して貸し出されているので、これまで支払いすぎた利息は元本にその都度組み入れることが出来る。
そうすると、長期間にわたり支払っていれば、既に「支払う必要がない」場合もあるし、過払い金を取り返すこともあり得るのである。
私が弁護士になった頃には、過払い金返還請求をしている人は希であったし、利息制限法を貸金業者に主張している弁護士も少なかった。ベテランの先生に利息制限法のことを話ししても、「え?貸金業者には利息制限法って主張できひんのと違うのか?」などという人もいたのである。
今は利息計算のソフトが無料で配布されたり(私も1つ作って弁護士会で配布されていた。今も私が作ったもので計算している人もいるようである)、市販されているので、パソコンを叩けばよいだけとなったが、表計算ソフトがなかった時代には、これを手で計算していたのだから、中々利息計算で引き直すというのは普及しなかったのだろう。
私は弁護士になって2年目くらいの時に、これではいかん、消費者金融天国だと思って、表計算ソフトを作って弁護士会で配布し、講義もしたのであったが、当時はあまり利息制限法での計算はメジャーではなく、よく消費者金融と電話で大げんかしたものである。
当時はよく「利息制限法は認めない」などと言われたりもしたが、今はそんなことをいう業者もいなくなった。
ただ、時々相談に行くと、「新聞で見ましたけど、私もグレーゾーン金利を支払っていました。過払いになってないかと思いまして」というので、いつ借りたのかを聞くと、「1年前」で、残債務はまだ「100万円ある」と言っていたりする人がいる。
足し算引き算をしても、まだ10万円くらいしか返していないのに、100万円の元金が過払いになる訳ないやろうとげんなりすることがあるが、消費者金融の被害が減少すれば減少したで、どこかで消費者を食い物にする輩は出てくる訳で、中々戦いは終わりそうにないのである。