読書日記「百年の孤独」
他の弁護士が書いた書面や主張の誤字脱字とか、表現が少しおかしいところを捉えてこれを見つけて悦にいって、「俺は気づいた」とほくそ笑んでいる弁護士がいる。
しかし、こうした弁護士はえてして大局的に事件を見ることが出来ず、訴訟とか事件の本質を見極める能力に欠けていたりする。
また、相手方弁護士で、事件について、「この事件はね…」なんて格好をつけて事件について裁判所で解説をしてくれるのはよいのだが、全く的が外れていたり、証人尋問でも的はずれの尋問をしたりしているにもかかわらず自分では「良い尋問をした」として悦にいっている弁護士がいる。
さらに、会議では必ず発言するのだが、自分をかしこく見せたいがために、「何か言わないとバカと思われる」と焦っていて、「何かいう」ことがかしこいのだと勘違いしているため、考えもせずに発言して、議論を混乱させるだけの弁護士もいる。
訴訟の場や会議などで発言する時には、発言するタイミング、その発言をしたことによる後の展開、反論が来た場合の切り返し等十分考えてから発言しないと、恥をかくことになりかねない。経験も必要である。
私が若い頃、訴訟の場でのボスの発言について、「あの場面でああいう指摘をされたのはどうしてですか」と聞いた時、必ずボスは、「あのときこれこれこうやったから、これこれこういうた方がええと思ったからいうたんや」と必ず自分の発言した理由を解説してくれたものである。
そのとき「弁護士の発言とは、そこまで考えてするものなのか」と身を引き締めたことを覚えている。
自分に自信がないため、自信があるように虚栄心でとりあえず発言したり、分かったような顔をしている場合もあれば、本当に自分が出来る弁護士だと思っている場合もある。
こういう勘違い弁護士は、周囲の弁護士の評価もとてつもなく低いものである。
こうした弁護士に依頼した依頼者は気の毒である。
依頼している弁護士が、自分の生きてきた常識と比較して、「この人、なんか違うなぁ」と思った時は、こうした弁護士なのかも知れない。
私は、こうした弁護士を、「かしこがりバ○」と呼んでいる。