読書日記「百年の孤独」
またもや法律とは関係ない話。
魂で戦う男が好きである。私もそうなりたいと思うが、中々思うようにはならない。しょせん凡人には無理な話なのかもわからない。しかし、そのようになりたいと思うことは自由であるから、そうなりたいと思っている。
サッカー選手でいえばゴン中山。技術だけではなく、気合いで点をもぎとるあの姿は、ドーハで敗れた試合から憧れである。
最近、海音寺潮五郎の書いた本(乱世の英雄という本だったか)で、桐野利秋のことが書いてあった。桐野利秋は、元中村半次郎といい、薩摩藩の低い身分の武士であった。俗に、「人斬り半次郎」といわれている。
桐野利秋は、常々、(趣旨として)「手がなくなったら足で、足がなくなったら歯で、歯もなくなったら魂で戦う」ということを言っていたということである(少しうろ覚えであるが)。
なかなか「いうは易し行うは難し」で、日頃えらそうなことを言っていても、追いつめられると日頃言っていることと違うことを言ったりしたりする人間がほとんどである。
彼のすごいところはそれを実践したところで、西郷隆盛と官軍との間で怒った西南戦争の際、官軍の銃で頭を打ち抜かれたが、刀をもって敵に「チェスト」と言って斬りかかろうとして息絶えたというのである。頭の半分がなくなっていたともいう。
私は、海音寺潮五郎の書いたこのエピソードを読んで、桐野利秋こそ、「魂で戦う男」だと感服した。
早速池波正太郎の書いた「人斬り半次郎」を買い込んできて、今行き帰りの電車の中などで少しずつ読んでいる。
少し前に紹介した津本陽の名をこそ惜しめ~硫黄島魂の記録~も、そうした魂で戦う男の物語である。最近、クリント・イーストウッドの映画のこともあるのか、津本陽のその本が売れているようである。
裁判や事件でも、絶対だめなものはあるけれども、簡単に諦めてはいけないと思うのである。