読書日記「百年の孤独」
事実について争いがある事件だと、双方の主張や証拠を出し合っていくことになる。
最終的には裁判官が判決をする訳だが、途中で和解になることもあるし、訴訟外でそれぞれ証拠を出し合って交渉することもある。
裁判であればともかく、訴訟外で交渉してまとめるべき事件で困る相手方弁護士は、「決めつける弁護士」である。すなわち、「自分のところのこれこれこういう証拠からすれば、自分のところが主張している事実が事実に間違いないから、いうことを聞け」、又は、「こちらの主張している法律論が正しいに決まっている」といってきて一切譲歩しようとしないのである。
しかし、これは交渉時においては、非常に不遜な態度であるし、実質的には交渉を拒否していることにほかならない。
こちらはこちらで証拠を提示し、主張を展開しているのに、その主張(こちらも同じ資格を持った弁護士なのだから、こちらもこちらなりに理由があって主張をしているのである)が、「自分の考えからすればあり得ない」と堂々といえるのは、「自分はどの弁護士よりも事実認定について能力が優れている。あなたは自分より下位の弁護士だから自分のいうことを聞きなさい」といっているのと同じであることに気づいていない。
そして、往々にしてこうした弁護士は、真の意味での実力はなく、実は大○鹿ものであることも多いのである。
このような弁護士は、「紛争を解決する」能力を持たないといってもいいだろう。
さらに、こうした弁護士は、後日訴訟で自分のところの主張が通らずに敗訴したときには、全て裁判官のせいにするのである。
トレーニングされた弁護士が交渉をするときには、「双方の主張は主張として」、どのような解決があり得るかを議論するものなのである。解決が出来ないと判断するのであれば、「交渉はこちらはこう考えているのだから不可能である」と明確に述べるべきである。
もちろん判決までいかないと解決しない事件も多数あるが、判決を取りに行くことよりも、交渉で解決した方がよいと判断しなければならないときに、そうした判断をする能力がない弁護士がたまにいるから、紛争が弁護士のおかげで拡大したりしていまうことも往々にしてある。