読書日記「百年の孤独」
これも相談をしていたり、前の弁護士を断りたいという苦情を聞くときによく聞かれる話である。打ち合わせをしていて、弁護士が聞いていない話をすると、「そんなことは聞いていない!!聞いたことだけ答えなさい!!」とか、少し事実関係に食い違いがあると、「言っている話が違うじゃないか!!」とか怒鳴る人がいるらしい。
そのため、その弁護士にいいたいことも言えず、その弁護士の前に出ると萎縮してしまい、よけいに事件の事実関係が出なくなってしまうことになってしまうのである。
私もむちゃくちゃな借り方をしている破産者にはよく怒るが、関係ない話をするのは人間の常だと思っているし、相談はある意味「癒し」の側面があるので聞いてあげないといけないと思っている。また、人の記憶はいい加減なところがあるから、前の話と後の話で多少事実関係が食い違うことぐらいよくあるので、その点は弁護士が、イエスイエスバットノウで、ただしていけばよいのである。
弁護士会の市民窓口から直接私が相談しているところへ回ってきた相談者も怒鳴られているということで萎縮していて、前の弁護士を断って、私が受任することになって、半年くらいで無事訴訟が解決した。
その依頼者がいったのは、「前の先生が怒鳴ってくれたから中先生に巡り会えたので、今では前の先生に感謝しています。前の先生に御礼しなくてよいでしょうか」と人のいい話であった。その先生にするくらいなら私の報酬値上げして…とは言えなかったので、「断った先生やしいいんと違いますか。」と言っていた。
さらに、「あのとき、法律相談で回してくれた弁護士会の職員さんにも菓子折を持っていきたい」とも言っていた。人のいい依頼者である。
もちろん私にも報酬は支払ってくれましたが。
弁護士が増えていけば、こうした大名商売をしている弁護士は淘汰されるのでしょうな。