読書日記「百年の孤独」
費用が他の弁護士と比較して過大な弁護士がいるという話を書いたが、これとは逆に費用が安い弁護士がいい弁護士かというと、これも一概にそうとも言えないところがある。
いわゆる「安かろう悪かろう」である。
依頼している弁護士が全然事件をしてくれない(事件放置)とか、こちらから連絡をしても折り返し連絡をくれないし、いつも不在だとかという苦情は結構聞くものである。
現在依頼している弁護士を解任して、引き続き私に依頼したいということもたまにある。
そして、そうした弁護士がどのくらい費用を取っているかというと、意外に安いことが多い。
依頼者の方は、最初は費用が低廉でよい弁護士だと思うようであるが、私の見るところ、これは、弁護士が仕事をしないいいわけに使うために安い事例が多いように思う。すなわち、「費用をそれほど取っていないのだから、多少遅れてもよいだろう」とか「そんなに費用も払ってもらっていないのに、文句ばかりいうな」というような気持ちになっているように思う。
しかし、費用の多寡にかかわらず、1回依頼を受けたものはその弁護士の依頼事件なのであるし、費用が安いから仕事をしなくてもよいということはない。
これは、その弁護士の方でも、「費用をもらっていない」から、「仕事に対してもこの程度でよいだろう」という甘えを生み出していると思われる。適正な費用をもらうことで弁護士の方にも責任の自覚が生まれてくるという側面もあるのである。
もちろん、過大な費用を取って何もしない弁護士もいるが…。
従って、過大な費用を請求するはともかくとして、あまりにも費用が安い弁護士はどうなのかと思っている。自分の仕事に対しての誇りを持っていれば、あまりにも技量を安売りすることは出来ないだろう。
離婚事件を最初から最後まで5万円でやりますという事務所があれば依頼は殺到するだろうが、責任のある仕事はせず、手を抜いた仕事となってしまうだろう。一件一件手作業で仕事を進めていく我々弁護士の仕事のやり方であれば、そうでないと体が保たないだろう。