徹夜
凶悪な犯罪が後を絶ちません。凶悪な犯罪が発生する度に、遺族の方がどのような気持ちでおられのかと思うと胸が痛みます。過去、弁護士も検察官も裁判官も、刑事司法において、被害者は「忘れ去られた存在」として置き去りにしていました。現在は、度重なる凶悪な犯罪被害に対して、保護すべしとして、ようやく犯罪被害者の権利が認められつつあります。
こうした犯罪被害者支援においても、我々弁護士が弁護士として行えることがあります。刑事事件の法廷傍聴の付添。マスコミ対応や裁判所・検察庁などの関係機関への連絡。刑事記録の謄写(コピー)。犯罪被害者給付金の申請(ただし、自賠責保険よりも給付金が安くなっているので、さらなる改正が必要です)。場合によれば民事の損害賠償請求。
費用についても、お金がない場合、民事の損害賠償請求以外の部分は、民事法律扶助によって、被害者の方が償還不要な犯罪被害者支援援助というものがあります。
京都弁護士会では、初回に限り無料で犯罪被害者支援相談を行っています。私もその相談のメンバーです。
また、法律的な場面以外のケアについては、各地で犯罪被害者支援センターが設立されている状況にあり、京都にも京都犯罪被害者支援センターがあります。私はセンターの理事もしております。
私は弁護士1年目から、犯罪被害者支援の事件に携わることがあり、当時は今のような制度も全く出来ていない時代でした。
犯罪被害者支援は、私の弁護士としてのライフーワークの一つと考えていますが、相手に資力がないことが多く、民事損害賠償請求をしても回収することが不可能なことも多いため、経済的にも厳しい状況に置かれた被害者の方を見て、口惜しい想いをしています。私としては、国が一定の犯罪被害者の賠償金を立て替え払いする制度を作り、国が犯人や場合によればその犯行に責任を負うもの(安全配慮を怠ったなど)に対し、弁護士を依頼するなどして回収作業を行うという法制度を作ることも、一つの犯罪被害者支援と考えています。国が本気で犯罪被害者支援を考えるのであれば、そのような法整備も行っていくべきです(平成17年度の犯罪被害者支援センターのパネルディスカッションでも同様のことを言っています)。