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外壁の検査でのポイントサイデイング編

松田貞次

松田貞次

テーマ:住宅診断(ホームインスぺクション)


外壁仕上に多い2つ目はサイデイング類です。

現在の住宅外壁で主流となっているのがサイディングです。主な種類は以下の2つです。

窯業系サイディング: セメントと木質繊維が主原料で、高温高圧で成形し、窯で焼成して作られます。デザインが豊富で、日本の住宅で最も多く使われています。

金属系サイディング: ガルバリウム鋼板などの金属板に塗装を施したものです。軽量で建物への負担が少なく、断熱性に優れているのが特徴です。

塗装の劣化とメンテナンスの重要性
サイディングの保護塗装は、基材を雨風や紫外線から守る重要な役割を担っています。この塗装が劣化すると、基材そのものが傷み、窯業系では反り、金属系では錆びが発生する原因となります。

以下のような劣化サインが見られたら、早めのメンテナンスを検討しましょう。

チョーキング現象: 塗料が粉状になり、触ると手に白い粉が付着する現象です。

キズ、めくれ、剥がれ: 物理的な損傷や塗装の密着不良によるものです。

変色: 紫外線などによる色あせです。

これらの劣化を放置すると、サイディング自体の寿命を縮めてしまうため、定期的な塗り替えが不可欠です。

シーリングの役割と補修のポイント
サイディングは規格品のため、パネルのつなぎ目(ジョイント)ができます。この部分を保護するのがシーリングです。

サイディング本体に比べてシーリングの寿命は短く、一般的に5~10年程度で劣化が始まります。シーリングが劣化すると、ひび割れや硬化が起こり、雨水の侵入を許してしまうため、早めの打ち替えが必要です。

まれに、施工時のプライマー処理不良により、シーリングが剥がれてしまうケースも見られます。シーリングの定期的な点検と、劣化が見られた際の早めの補修が重要です。

雨漏り対策:防水施工の注意点
サイディング壁からの雨漏りには、水切りの処理が大きく関わっています。特に注意が必要なのは、庇や窓サッシ周りの水切りです。

水切りと壁の隙間をシーリングで塞いでしまうと、上部から浸入した水が排出されず、内部に溜まってしまうことがあります。水切りは、壁内部に浸入した水を外部へ排出する重要な役割を担っているため、その機能を妨げない適切な施工が求められます。

また、壁内部の防水紙やサッシ周りの防水テープの貼り方が不適切だと、雨水が浸入する原因となります。

新築時の工程検査のすすめ
新築住宅では、建築基準法に基づく基礎の配筋検査や金物検査などの法定検査が行われます。

しかし、外壁の防水紙や断熱材といった、建物の性能に直結する重要な工程は、法定検査の対象外であることが多いです。これらの工程に不備があると、後々の雨漏りや断熱性能の低下につながります。

そのため、法定検査以外にも、防水や断熱に関する第三者機関による工程検査を依頼することをおすすめします。これにより、建物の長期的な耐久性と安全性を高めることができます。

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松田貞次
専門家

松田貞次(建築士)

有限会社マツユウ住宅(一級建築士事務所)

二級建築士、宅地建物取引士、2級施工管理技士、木造耐震診断士、損害保険鑑定人、アスベスト調査員など、さまざまな資格を保有。長年の経験を生かし、公正で丁寧なインスペクションを実施する。

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