土地や中古住宅を探すときに思うこと 診断士(インスペクターとして)
ホームインスペクション、信頼なくしてお受けできません。
先日、ホームインスペクションのご依頼をお断りするという、私にとって少し珍しい出来事がありました。
なぜお断りしたのか、その理由と、私がこの仕事で最も大切にしている「信頼関係」について、皆様にお伝えしたいと思います。
私が一番大切にしていること
ホームインスペクション(住宅診断)という仕事をする上で、私が何よりも重要だと考えているのは、
お客様との信頼関係です。もちろん、費用は大切な要素ですが、これらは二の次だと考えています。
もしお客様が私を信頼していなければ、いくら費用をいただいて住宅を診断したところで、私の出した結果に心から納得していただけるでしょうか? 価格や日程が合うというだけで、本当に大切な住宅の診断を任せて大丈夫なのでしょうか?
費用に大きな差があるわけでもなく
日程についても、いままで、お客様のご事情に合わせて早朝でも深夜、休日でも対応してきました。
それは、お客様にとって私が唯一の選択と理解しているからです。
だからこそ、お客様からの信頼がなければ、この仕事は成り立たないと強く感じています。
今回のご依頼、そして「信頼できない」と感じた理由ですが・・
今回のご依頼は、以前名刺交換した不動産業者の方からの問い合わせでした。
その方は、私とは面識のない方からの電話でした。
1回目の電話では、費用や内容について聞かれました。図面や場所も不明でしたので、
ホームページに記載している内容をお伝えし、「決まりましたら正式な見積もりと調整可能な日程をお送りします」
とお伝えしました。
数日しての2回目の電話では「レポートは込みか?」という質問でした。
初回でレポート込みの費用をお伝えしていますし、ホームページにも明記しています。
不動産業者と言うプロでもありホームページを見たとおっしゃっていたので、細かい説明は省いていました。
そして3回目。「最短でいつ実施できますか?」「レポートはいつもらえますか?」と、
具体的な図面や場所、取引のタイムスケジュールも教えていただけないまま、実施日とレポートの催促でした。
「正式な見積りもまだですし、資料を送っていただければ、見積と実施可能日をお伝えします。
もし契約日などでお急ぎなら調整してみます」と伝えたところ、返ってきた言葉は衝撃的なものでした。
「まだあなたに頼むとは決まっていないので」
この言葉を聞いて、私は率直に「それならば、私で良いとなってからご連絡ください」とお伝えし
今回のご依頼はお断りさせていただきました。
私に依頼したいという意思が固まっていない状況で、具体的な情報もいただけずに日程やレポートばかりを催促される。
このやり取りからは、私が大切にしている「信頼関係」を築くことは難しいと感じました。
ホームインスペクションは、お客様の大切な財産である住宅の未来に関わる重要な診断です。
決して私が優秀とか私に決めろと言っているのではなく
お客様には心から信頼できるインスペクターを選んでいただきたいと願っています。
今回の経験を通じて、改めてお客様との信頼関係の重要性を強く認識しました。
これからも、この信念を大切に、誠実な住宅診断を続けていきたいと思います。



