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「塾ジイのBAR」17 ー12月からの直前期に向けて、親にできる準備とは?ー

久保克己

久保克己

テーマ:入試直前期に向けて

子どもの学習の足跡を、次の一歩につなげるために

直前期を前に、親として何をすればいい?

「こんばんは。マスター、ちょっと相談に乗ってもらえますか?」
「いらっしゃい。もちろんじゃよ。今夜はどうされたんじゃ?」
「いよいよ12月が近づいてきましたね。うちの息子も受験生なんですが、ここからの勉強をどう支えてやればいいのか、少し気になっていまして」
「なるほど。直前期を迎える準備というわけじゃな」
「そうなんです。先日、塾ジイのボイスコラムを聞きましたよ。模試や過去問の資料を整理して、これまでの学習を振り返るという話でしたね」
「そうじゃ。直前期だからといって、急に勉強時間を増やしたり、新しい問題集に手を出したりするのではなく、これまでの学習を振り返って、残された時間で何を優先するかを決める。それが大切なんじゃよ」
塾ジイのボイスコラム 9 ー直前期に向けて、これまでの“足あと”を整理せよ!ーhttps://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5241952/

まずは、資料を使える状態に

「ただ、うちの息子は、模試の成績表や過去問の答案をあちこちに置いたままでしてね。まずは、それを整理させた方がいいんでしょうか?」
「そうじゃな。まずは、必要な資料をすぐに取り出せるようにしておくとよいじゃろう。模試なら回ごと、過去問なら年度ごとに、成績表や問題、答案、解答解説、解き直しの記録などをまとめておくんじゃ」
「それなら、私がファイルを買ってきて、全部まとめてやろうかと思うんですが」
「お父さん、ちょっと待った。親が全部やってしまうのは、どうかのう」
「やっぱり、そうですか……。でも、本人に任せておくと、いつまでたっても片づかないんですよ」
「分かる、分かる。じゃが、今回の整理は、単なる片づけではないんじゃ。これから何を勉強するのかを考えるための準備じゃからな。本人が自分の資料を見て、これまでの学習を振り返ることにも意味があるんじゃよ」
「なるほど。親が全部やってしまうと、その機会を奪ってしまうんですね」
「そういうことじゃ。まずはファイルや封筒を用意してやる。分類の仕方を一緒に考える。そんなところから始めればよい。本人が自分で整理できるように、少し手を貸してやるんじゃな」

点数だけで判断しない

「それから、成績の悪かった模試や、点数の低かった過去問を見直すんですよね?」
「そうじゃ。ただし、ここも親が点数だけを見て、あれが悪い、これができていないと言うのは避けたいところじゃな。模試なら偏差値や志望校との距離、教科別の状況。過去問なら年度ごとの得点率や目標点との差。それぞれに合った基準で振り返る必要があるんじゃ」
「親には、なかなか難しそうですね」
「無理に親が判断する必要はない。本人がどこを振り返ればよいのか迷っているようなら、学校や塾の先生に相談すればよいんじゃよ」
「そうですね。先生方なら、答案の中身も見て、何を優先すればいいか教えてもらえますね」
「その通りじゃ。大切なのは、間違えた問題を何でもかんでも解き直すことではない。繰り返し失点している単元や、正答率が高いのに間違えた問題など、優先して取り組む課題を見つけることじゃ。さらに、知識が足りなかったのか、解き方が分からなかったのか、読み違いや時間不足だったのか。間違いの原因まで確かめるんじゃよ」
「そこまで考えるんですね。点数を見て一喜一憂しているだけでは、次につながらないということか」
「そうじゃ。そして、見つかった弱点は、普段使っているテキストに戻って補強する。新しい教材を買い足す前に、今まで使ってきた教材を生かすんじゃ」

親が勉強の計画まで背負わない

「なるほど。そうなると、親としては、テキストの該当ページを探してやったり、勉強するところを指示してやったりしたくなりますね」
「気持ちは分かるが、そこも本人が主体じゃ。親が先回りして、勉強の順番まで決めてしまわんことじゃな。必要なら一緒に探す。本人が自分で進められるようになれば、それが一番じゃ」
「うちの息子は、模試の後に解き直しをしていたこともありますが、記録が残っているかどうか……」
「それなら、今までの作業を一度見てみるとよい。模試のたびに答案を分析し、間違いの原因を考え、解き直しをしてきた子なら、その蓄積が直前期に力を発揮する。毎回の作業が、その場限りの復習ではなかったということじゃ」
「反対に、あまりできていなかった場合は?」
「心配はいらん。今からでも始められるぞ。全部を一からやり直す必要はない。まずは最近の模試や過去問から資料を集めて、優先する課題を選ぶ。そこから通常テキストに戻ればよいんじゃ」

学校・塾の先生と一緒に支える

「そうですか。何だか、親としても少し見通しが持ててきました」
「それはよかった。お父さん、学校や塾の先生とは、最近どんな話をしておる?」
「そういえば、成績のことは話していますが、これから何を優先して勉強すればいいのか、そこまでは聞いていませんでした」
「それなら、一度相談してみるとよい。これまでの模試や過去問の結果を見てもらい、本人が見つけた課題についても話してみるんじゃ。家庭だけで判断するより、先生方の見立ても加われば、これからの学習の方向が見えやすくなるじゃろう」
「親だけで何とかしようとしなくてもいいんですね」
「もちろんじゃ。学校や塾の先生と家庭が、それぞれの立場から本人を支える。それが大切なんじゃよ」

最後は、本人の努力を信じて見守る

「ただ、直前期が近づくと、親の方まで焦ってしまいそうです」
「それも無理はない。じゃが、親まで焦って、毎日のように勉強の進み具合を確認したり、点数のことを言ったりすると、本人も落ち着かなくなることがある。必要な準備を手伝ったら、あとは本人の頑張りを信じて見守ることも大切じゃよ」
「なるほど。資料の整理を手伝うことと、勉強そのものに口を出すことは、別なんですね」
「そうじゃ。親ができることは、子どもの代わりに受験勉強をすることではない。本人がこれまでの努力を生かして、残された時間を有効に使えるように支えてやることじゃ」
「分かりました。まずは本人と話をして、資料を整理するところから始めてみます。それから、塾の先生にも相談してみますよ」
「それがよい。12月からの直前期は、これまでの努力を得点につなげる大切な時期じゃ。親子で、よい準備をしてくだされ」
「ありがとうございました。また相談に来ます」
「いつでもどうぞ。今夜はゆっくり休んでくだされ」

12月からの直前期に向けて、保護者にできることは、子どもの勉強を管理することではありません。
模試や過去問の資料を取り出しやすくする。これまでの学習を振り返るきっかけをつくる。必要に応じて学校や塾の先生とつなぐ。そして、本人が自分で課題を見つけ、残された時間を有効に使えるように見守る。
これまでの努力を、入試本番の得点につなげるために。
親子で一緒に、12月からの準備を始めていきましょう。

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