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「塾ジイの日記」30 ―知識検索力による失点回避―

久保克己

久保克己

テーマ:得点力を伸ばす方法

出口利光(でぐち りこう)と申します。40年間進学塾で教鞭をとり、5年ほど前に定年退職しました。今では自宅のアトリエで趣味の油絵を楽しむ傍ら、近所の小中学生に勉強を教えています。最近親御さんや子ども達から学習や受験に関する相談を受けることが増えました。この度、子どもやその親御さんに伝えてきた学習や受験のノウハウが本当に妥当かどうかを自らで立証すべく行政書士試験に挑戦することにしました。これまで受験生に向けて発信してきたアドバイスや指導に則った行動を自身が取ることにより、当事者としての感じ方や課題をこの日記に綴っていこうと思います。

妄想力で夢を引き寄せる

5/29(水)
最近よく夢を見る。多くは行政書士試験の問題が解らずもがいている夢じゃ。これも例の“睡眠学習”の影響かもしれん。良いか悪いかは分からんが、脳が変化しているのは間違いなさそうじゃ。
☛「塾ジイの日記」25  https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5159463/
そんな中、昨日は資格予備校のY先生とビール飲んでいる夢を見た。残念ながら自分がどんな立場でご一緒したのかは憶えていない。何を話したのかも残っていない。しかし、おぼろげながら学習の現状を語っていたような気がする。(現実でも飲んだときの記憶はほぼこれと同じなんだが…)夢とはいえ、Y先生と酒の席を共にするというあり得ないシーンを見たということは、もしかすると自分は行政書士試験に合格すると【脳が勘違いし始めている】のかもしれない。現状は厳しいのに…。
☛「塾ジイの日記」28  https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5161556/

松下幸之助さんがご自身の著書の中でこう記されている。

最初は夢でしかなかったものがしだいに現実に近づき、やがて夢と現実の境目がなくなって、すでに実現したことであるかのように、その達成した状態、完成した形が頭の中に、あるいは目の前に克明に思い描けるようになるのです。しかも、それが白黒で見えるうちはまだ不十分で、より現実に近くカラーで見えてくるーそんな状態がリアルに起こってくるものなのです。

これを言い換えれば、強く念じれば脳が無意識に自身の成功に向けた道のりをナビゲートしてくれるということか。わしも今度はY先生の夢をカラーで見られるように、これまで撮った写真を毎日眺めて【妄想力】を高めることを意識しよう。
☛「塾ジイの日記」11 https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5154316/
☛「塾ジイの日記」16 https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5155813/

知らないことは知らない

最近引っかかる問題のパターンが決まってきた。それは架空の条文を正しい選択肢と判断してしまうことじゃ。解説にも「このような条文規定は存在しません」と書いてあるとガクッとくる。架空の条文を正しいと判断するということは、インプットされていない事項を選択している、つまり「知らないことを正しい」と判断しているということじゃ。更に言えば「見たことないけど、自分が知らないだけかな…」という“根拠なき思い込み”をしているということじゃ。これはいわゆる「アテ勘」と同じじゃ。おそらくこのような演習を何度やっても、解説をいくら読み込んでも得点力には結びつかないだろう。その理由は「根拠に基づいた仮説を持たずに判断している」からじゃ。これを克服するためには「自分の脳にインプットされている知識だけで処理する」姿勢&意識が重要じゃ。入試直前期に受験生へ言っておったな。「知らないことに惑わされるな。もし選択肢で迷ったら少しでも知っている選択肢を選びなさい」と。
☛「塾ジイの部屋」13  https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5152908/

「知らないことを思い出そうとしない」、逆に言うと【自分の持っている知識を検索してもヒットしない=知らない(忘れた)or見たことない】という瞬時の判断力が、知識を得点に結びつけるうえで非常に重要であるということじゃ。このスキルが試験解答時の難易度の判断にも直結するのだろう。難問に直面した際に【この問題は見たことないので皆も知らないはずだ】と察知できるスキルを身に付けるためには【インプット→アウトプット→再インプット】の反復作業を徹底するしかない。未知のものに惑わされず、知識を吸収した自身の脳力を信頼できるレベルまで作業の精度を上げなければならない。ここで課題として見えてきたのは【アウトプット時の処理時間】じゃ。次回の日記でこの問題について考えてみよう。

*人物名等はフィクションです
*参考書籍:
生き方 稲盛和夫 著
デキる大人の勉強脳の作り方 池谷裕二 監修
成績が上がる学びの習慣 紀野紗良 著*drawn by 蒼りんごさん

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久保克己(塾講師)

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