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「塾ジイの日記」27 ―Make failure a lesson-

久保克己

久保克己

テーマ:受験勉強における学習方略と行動原理

出口利光(でぐち りこう)と申します。40年間進学塾で教鞭をとり、5年ほど前に定年退職しました。今では自宅のアトリエで趣味の油絵を楽しむ傍ら、近所の小中学生に勉強を教えています。最近親御さんや子ども達から学習や受験に関する相談を受けることが増えました。この度、子どもやその親御さんに伝えてきた学習や受験のノウハウが本当に妥当かどうかを自らで立証すべく行政書士試験に挑戦することにしました。これまで自身が発信してきた他人に向けたアドバイスや指導に則った行動を取ることにより、当事者としての感じ方や課題をこの日記に綴っていこうと思います。

5/8(水)
魔のGWが終了した。この期間、何とか「空白の一日」を作ることなく乗り越えることができた。
☛「塾ジイの日記」26  https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5160197/
まあ、連休期間後半に痛風の発作が出て歩行困難になったので、外出やお酒の誘惑に目をつぶるしかなかったというのも大きな要因じゃ。これはわしの脳が敢えてアラートを発し、わしが受験勉強に向き合わざるを得ない状況を作ってくれたのに違いない。ここでペースを崩してしまうと、軌道修正にかなりの時間を要する。そういった意味で最低限のペースを維持できた意味は非常に大きい。痛風くん、ありがとう。

最近感じるのは、【自分のペースを把握→維持すること】は非常に重要であるということじゃ。自身のペースを把握しているからこそ、ハイペースorローペースといった微調整が可能になる。基本知識のインプット(授業)終了時(8月)から本試験(11月)までに必要な作業内容を確定させ、それをこなす時間尺の策定をする際に【自分のペース】を踏まえないと、計画が破綻し、取り返しのつかない状況になる恐れがある。ここで有効なのが【これまでの自身の失敗経験を参考にすること】じゃ。欲張った計画を立て、こなし切れなくなった挙句、計画変更を余儀なくされた経験を様々なカテゴリー(勉強、仕事、旅行等)において誰しも持っているじゃろう。それらに向き合うことによって【過去の失敗経験を教訓として機能させる】んじゃ。

その観点で言うと、今のわしの学習方略の懸念事項は「睡眠不足」じゃ。やはり【睡眠時間は7時間を厳守】する必要がある。GW中にこれまでの学習状況の振り返りをおこなった結果、【睡眠時間を起点とした学習スケジュール】の重要性を再認識した。これまで平日は予備校の自習室で2.5時間学習していた。自習室での学習の最大のメリットは、やはりその環境じゃ。人生を賭けて学習に没頭している人たちが周りに居ると【心地良い緊張感】が得られ、学習効率は家でやるよりも遥かに高い。その反面、デメリットもある。それは「移動によるタイムロス」じゃ。検証すると自習室の利用手続きやバスの待ち時間等を合わせ約1時間になる。これはかなり大きい。予備校の自習室を利用せず家で学習すれば、この1時間がまるまる浮く。「学習環境VS睡眠時間」の二者択一は悩ましいところじゃが、やはり【睡眠時間を優先】させることにした。これまで指導した受験生を見ても「睡眠不足によるパフォーマンスの低下による学力不振」のケースを数多く目にしてきた。じゃから、年度初めに生徒に学習計画を立てさせるときは、先ず【睡眠(時間)時刻】を決めさせ、それを基盤にスケジューリングさせていた。そもそも【学習とは脳というエンジンを回転させる活動】じゃ。じゃから「脳の機能不全を伴う学習」は、不具合のあるエンジンを搭載した車を運転しているのと同じで、「非効率(燃費が悪い)」であり「非常に危険(事故のリスク)」であるということじゃ。というわけで、平日の学習は全て自宅でおこなうこととし、【0:00就寝→7:00起床】を基盤に学習計画を練り直すことにした。これにより4時間の家庭学習と7時間の睡眠を確保できる。更には、就寝1時間前の晩酌タイム(5分の暗記トレーニング含む)も捻出できる。
☛「塾ジイの日記」25  https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5159463/
移動(徒歩)や食事、入浴等細切れ時間での音声による学習を含めると、約5時間の学習時間を確保できる。おそらくこの時間枠が今のわしの生活&体力を鑑みれば、最適かつ限界なのだろう。この方略で最重要科目である行政法での満点獲得を実現すべく作業を続けよう。

*人物名等はフィクションです
*参考書籍:
 「デキる大人の勉強脳の作り方」池谷裕二 監修
 「勉強ができる子は〇〇がすごい」榎本博明 著
 「成績が上がる学びの習慣」紀野紗良 著*drawn by 蒼りんごさん

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久保克己(塾講師)

株式会社京進

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