模擬テスト活用レシピ
出口利光(でぐち りこう)と申します。40年間進学塾で教鞭をとり、5年ほど前に定年退職しました。今では自宅のアトリエで趣味の油絵を楽しむ傍ら、近所の小中学生に勉強を教えています。最近親御さんや子ども達から学習や受験に関する相談を受けることが増えました。この度、子どもやその親御さんに伝えてきた学習や受験のノウハウが本当に妥当かどうかを自らで立証すべく行政書士試験を受験することにしました。これまで自身が発信してきた他人に向けたアドバイスや指導に則った行動を取ることにより、当事者としての感じ方や課題をこの日記に綴っていこうと思います。
3/19(火)
民法の授業も総則の後半に差し掛かりインプットすべき知識の量と難度の傾斜が上がり始めた。目の前の内容の暗記に留まらず、既習事項との関連性等の理解を要求される場面が増えてきた。マラソンのように【如何にペースを維持しながら作業を進めるか】が重要になってきた。改めて【感情に流されず淡々とやるべきことをやるべきときにやっていく】ことに徹することにしよう。
今回の予備校の講義の中で担当のT先生が行政書士試験に向けての学習方略に関して10分ほどお話しされた。話のポイントは
①自分の暗記スタイルを把握しそれに見合った学習をすること…自分の短期記憶の傾向(例:インプット後3日間は記憶できている)を踏まえ、忘れる前に復習する(例:忘れる一日前に見直す)
②間違った問題を何度も繰り返しやり直す(2~3回のレベルではなく20回、30回とやり続ける)
③一発合格に越したことはないが、短期間で覚えたことは忘れるのも速い。実務に必要な知識をしっかり長期記憶として身につける気概で臨んでほしい
そして模試のデータの話に及んだ。
「皆さん、模試を受けられて成績表が返却されたら【問題ごとの全受験者の正答率】に注目してください。ここ数年のデータによれば、本試験で正答率50%以上の設問に全て正解すると175点(300点満点)くらいになります。合格ラインは180点ですからほぼ合格点を確保できるわけです。つまり、二人中一人が正解している問題を落とさなければ合格できるということですね。逆に言うと正答率50%未満の問題は正解しなくても良い、もっと言えば正解しようとしてはいけないということです。つまり【如何に基本レベルの問題を落とさないか】が勝負どころということです。ということは【基本レベルの問題か否かを見極めるスキル】が合格へのパスポートなんです!ですから模擬テストの復習は、【正答率50%で正解できなかった問題】を優先的に繰り返し見直す」ことが鉄則なんです」
この方略はわしがこれまで受験生に指導してきたものと完全に一致する。
☞模擬テスト活用レシピ https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5119681/
【模擬テストの戦略的な活用】は受験を勝ち抜くにあたって最も重要で効率的な方略じゃ。成績データを用いたテストの見直しは客観的な学力の現状と受験者集団における立ち位置を把握し、今後に向けて方略を練り直すチャンスでもある。【テストによるアウトプット→解答解説による再インプット→成績データによる客観的学力と設問への対応状況の把握】を通して【問題に対する選球眼】の精度を上げていくこと、これは入学試験対策そのものじゃ。
☞「塾ジイの部屋」8 https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5121535/
先日の懇親会でクラスの人たちのモチベーションが上がっている。このウエーブに乗らなければならない。というより合格率が10%であることを考えると【クラス内でだれにも負けない】という気概で挑む必要がある。「ヤル気」や「熱意」よりも【正しい作業を無感情でこなす】ことを肝に銘じよう。
T先生も言っていたな…
「大事なことはヤル気が無い時も勉強することです」
*人物名等はフィクションです
*drawn by 蒼りんごさん
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