「塾ジイの思い出」2 ―子どもの学習姿勢を可視化する―
出口利光(でぐち りこう)と申します。40年間進学塾で教鞭をとり、5年ほど前に定年退職しました。今では自宅のアトリエで趣味の油絵を楽しむ傍ら、近所の小中学生に勉強を教えています。最近親御さんや子ども達から学習や受験に関する相談を受けることが増えました。この度、子どもやその親御さんに伝えてきた学習や受験のノウハウが本当に妥当かどうかを自らで立証すべく行政書士試験を受験することにしました。これまで自身が発信してきた他人に向けたアドバイスや指導に則った行動を取ることにより、当事者としての感じ方や課題をこの日記に綴っていこうと思います。
潜在意識に夢を託す
2/26(月)
先週の金曜日(2/23〈祝〉)資格予備校の「合格祝賀交流会」が実施された。去年の本試験合格者対象のイベントなので当然わしは参加資格者ではないが、会場が大阪だったので「一年後の下見」というわけのわからない理由付けでこそっと見に行ってきた。予備校の教室で見かけたことがある人も数名いた。この会に参加できないのは当たり前なんじゃが、会場入口前に立っていると何とも言えない気持ちになった。「羨望感」「劣等感」「焦燥感」…自分は一年後このドアの向こうへ行けるだろうか?行けたらいいな…いや、良太にも言っていたな。『夢を達成している自分に憧れてはならん』と。
☞「塾ジイの日記」13 https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5152908/
あの祝賀会に参加できるという【高揚感を潜在意識に刷り込む】ためにこの写真を撮っておいた。
笑顔であの受付でネームプレートをもらっている自分の周りの景色を強くイメージするために。来年の祝賀会も同じ場所で同日開催されるようなのでスマホのカレンダーに【2025年2月23日合格祝勝会出席】と予定を入れておいた。
翌日の2/23(土)少し時間が空いたので本試験会場の下見へ行った。といってもまだ会場が確定しているわけではないが「国際会議場」になる可能性が高い。取りあえずそこが会場になると仮定して下見に行ってきた。わしは現役時代毎年受験生に【受験勉強を始める前に志望校の下見に行きなさい】と言っていた。わしも同じことをやっておこうと思い立った。行政書士の本試験実施時刻は毎年13時から16時の3時間(休憩無し)に固定されている。会場には12時20分までには到着する旨アナウンスされているので、わしもその時間に到着するように家を出た。本試験当日のつもりで地下鉄に乗り、移動中は本番直前の体で問題集を解いた。地下鉄国際会館駅から国際会議場まで少し距離がある。改札を出てから緊張しながら歩みを進めた。会場は他のイベントをやっていたがちょうど昼休みの時間帯だったので中に入ることができた。勝手に自分の試験会場を決めて写真を撮った。
ここは11/10(日)13時~16時本試験を受験するいわば【決戦場】じゃ。そういえば、ここのレストランのビーフシチュー美味そうじゃったな。本試験終了直後にここでシチューを食べながらビールを飲もう。すごい【好子】じゃ。今からワクワクしてきたな。上の写真とこの前撮った京都府行政書士会館の写真を毎朝眺めて潜在意識のアイドリングをフル回転させてから受験勉強を始めることにしよう。
☞「塾ジイの日記」11 https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5154316/
学習方略も周りの人たちの協力のおかげで何とか固まった。そして意識の矯正も形になった。ついに【本試験までのシナリオ】の完成じゃ。舞台も整った。あとは舞台上でシナリオ通りに演じていくだけじゃ。多少のアドリブを入れながら…。舞台の緞帳は上がっている。千秋楽まで【祝杯】という【大いなる好子】を目指して日々演じ続けていこう。一番前の客席で【もうひとりの自分】が観ていることを気にしながら。
この日記を書いている途中でわしの元上司がよく使っていたフレーズを思い出した。
できると思えばできる、できないと思えばできない。これは、ゆるぎない絶対的な法則である by パブロ・ピカソ
*参考書籍:「心のブレーキの外し方」石井裕之 著
「行動分析学入門」杉山尚子 著
「メタ認知」三宮真智子 著
*人物名等はフィクションです
*drawn by 蒼りんごさん
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