「塾ジイの部屋」14 ―「緊張して失敗しそう」問題克服法ー
【ふたつの自分】が誘う“新たな自分”
みなさん、こんにちは。昨日ある方からSNSを介して「塾ジイがんばれ!」という応援メッセージを頂きました。必ず塾ジイに申し伝えます。きっと喜ぶと思います。ありがとうございます!
今回も前回に引き続きまして、ここまでの塾ジイの受験勉強にの施策を振り返ります。前回は【学習方略】について考えました。多少の戸惑いはあったものの概ね順調にこれまで構築してきた【入学試験に対する学習方略】をそのまま汎用できました。
内から景色を見ている自分
学習方略の基本方針を固めた塾ジイは、次の検討課題として【行動原理】にスポットをあてました。塾ジイが特に重要視しているのは【二つの意識を使い分ける】ということです。【二つの意識】、すなわち「顕在意識」と【潜在意識】です。自動車に例えると、発進(ローギア)は「顕在意識」、そのあとは【潜在意識】が【自動運転=無意識】のまま目標達成までの道のりをナビゲートしてくれるという考え方です。つまり「まずは行動してみる」ことが重要だということです。それが「顕在意識による意識的取り組み」ということなんですね。その際必要なのは「やる気」ではなく「取りあえずやってみる」という「発進力」なんですね。発進したあとのことは【潜在意識】に委ねる。最重要ポイントは【強烈な成功イメージを持つ】ことでしたね。塾ジイは生徒に指導したのと同じように行政書士会館の写真を撮影し、毎日それを見ながら自身が行政書士として会館に足を踏み入れる感覚、感触をイメージしました。
☞「塾ジイの日記」10 https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5154126/
☞「塾ジイの日記」11 https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5154316/
【潜在意識】は一度動き出すと結論が出るまで動き続けます。その動力は【成功イメージの強さ】に比例すると言われています。京セラの稲盛和夫さんも著書の中で
最初は夢でしかなかったものがしだいに現実に近づき、やがて夢と現実の境目がなくなって、すでに実現したことであるかのように、その達成した状態、完成した形が頭の中に、あるいは目の前に描けるようになるのです。しかもそれが白黒で見えるうちは不十分で、より現実にカラーで見えてくるーそんな状態がリアルに起こってくるものなのです。
と記しておられます。【より現実にカラーで見えてくる】のフレーズは【潜在意識の本質】を表しています。「まずは一歩踏み出し」【成功イメージを強く持ちながらやるべきことをやるべきときにやる】ことが目標達成への王道であると塾ジイも信じています。これはいわば“内にいる自分”が「顕在意識」によって一歩を踏み出すことを試み、そのあとは【潜在意識】というエンジンに委ねるという方略です。【リアルなイメージ】により脳が勝手に成功の予感→期待→確信と“勘違いの階段”を上っていきます。そして“確信”の域に達したとき、それは【イメージではなく現実になる】んですね。
外にいる自分が自分を見ている
受験勉強という行動の動機付けもこれまでの経験が活かされ順調そうに見えました。しかし、ここで塾ジイは初めて学習方略に関して壁に突き当たります。それは直前期の学習のための素材が少なすぎるという懸念が湧いてきたんですね。そこでまず塾ジイは資格予備校の先生に本試験の出題状況の確認を行いました。先生の回答を受け、予備校から与えられた教材だけでは学習素材が不足していることを確信した塾ジイは、新たな方略を模索し始めます。ここは重大な局面でした。「まあ、そのときにまた考えよう」ということもできた筈です。しかし塾ジイは【シナリオがない行動が苦手】という【自らの特性】を鑑み、早期に対策を講じる必要性を感じていました。塾ジイ自らの特性を俯瞰的に捉え、合致する学習方略を模索する姿勢は【外の自分が自分を見ている】という意識、いわゆる【メタ認知】を踏まえた行動であると言えます。主観的な感覚に偏らず常に自分のことを客観視する姿勢は学習方略を検討する上で極めて重要です。【自分の特性を知る】ことは学習に限らず重要です。少し話が逸れますが、私は昨年発達障害支援の研修を受講しました。そこで私は【私自身が発達障害であった】ことに気づきました。研修では発達障害児支援の基本的な方略(環境づくり)を学びました。研修後私は自らの生活にその方略(超こまめに予定を具現化させる)を取り入れ、それまで味わったことのない【安定感】を手に入れることができました。【自分を知る】ことにより「自分を変える」のではなく【自分の環境を変える】という意識が重要なんですね。塾ジイも自らの特性を踏まえた対応を取ろうとしています。【メタ認知】が低い子どもの個性を把握し、それに見合った学習方略を提案するのが指導者(学校・塾の教師)のミッションなんですね。塾ジイは自身に見合う学習方略を行政書士資格を保有している元部下にアドバイスを求めることを決めました。【他人に依存する】選択をしたのも【自分の弱み】を認識しているからこそできることなのです。
☞「塾ジイの日記」12 https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5154393/
このような塾ジイは【内から外の景色を見る自分=潜在意識】と【外から自分を俯瞰的に見る自分=メタ認知】の【ふたりの自分】による見方や感じ方のバランスを意識しながら目標達成に挑もうとしています。【潜在意識】と【メタ認知】を組み合わせれば相乗的な成果が望めるということでしょうか。本コラムではこの仮説を【目標達成二元コラボ説】と呼ぶことにします。
私にとって塾ジイは「赤の他人」ですが、「内にいるおせっかいな他人」&「外からチラ見している通りがかりの他人」として今後も塾ジイを観察していこうと思います。ただ…「ギャラリーのひとり」ではなく【応援団長】として。
*参考書籍:
「生き方」 稲盛和夫 著
「人生を変える!「心のブレーキ」の外し方」 石井裕之 著
「デキる大人の勉強脳の作り方」 池谷裕二 監修
「メタ認知」 三宮真智子 著
*drawn by【青りんご】さん
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