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「塾ジイの日記」11 ー挑戦への意識改革【中編】ー

久保克己

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テーマ:受験生のモチベーションの保ち方

出口利光(でぐち りこう)と申します。40年間進学塾で教鞭をとり、5年ほど前に定年退職しました。今では自宅のアトリエで趣味の油絵を楽しむ傍ら、近所の小中学生に勉強を教えています。最近親御さんや子ども達から学習や受験に関する相談を受けることが増えました。この度、子どもやその親御さんに伝えてきた学習や受験のノウハウが本当に妥当かどうかを自らで立証すべく行政書士試験を受験することにしました。これまで自身が発信してきた他人に向けたアドバイスや指導に則った行動を取ることにより、当事者としての感じ方や課題をこの日記に綴っていこうと思います。

自分の内と外にいる【もうひとりの自分】その2

2/5(月)
昨夜以前勤めていた進学塾の広報部長から電話があった。
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「出口先生ご無沙汰しています。お世話になった小曽利です」
「おー久しぶりじゃな。部長になったと聞いたぞ。本当なのか?」
「はい、広報部の部長になりました」
「想定外じゃ」
「何がですか?」
「いや、なんでもない。で、わしに何か用か?飲みの誘いか?」
「それは近いうちに是非!今日は折り入って出口先生にお願いがございまして…」
「結婚の世話か?」
「それもまた改めてお願いします。今日はウチの社内報作成にご協力いただきたいんです」
「社内報?わしは退職した人間じゃ。今さら社内報にどう関われというんじゃ?」
「出口先生、行政書士の試験を目指しておられると聞いたのですが…」
「誰から聞いたんじゃ?」
「本願寺校の相馬校長です」
☞「塾ジイの部屋」【番外編】https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5151445/
「あいつ、口が軽いな!この前飲んだ時ベロベロだったのにそんなことだけ憶えているんだな…行政書士の件は本当じゃ。それと社内報とどう関係があるんじゃ?」
「先生の勉強の様子をドキュメントとして定期的にWEBの社内報で発信したいんです」
「そんなもん見たいヤツおらんじゃろ。それにあれか?わしを晒すのか?もし合格しなかったらどうするんじゃ?」
「先生なら大丈夫です」
「あいかわらずいい加減じゃな。ちょっと気が進まないな…」
「一回ご出演いただく毎にお好きな日本酒一升差し上げます」
「やらせていただきます」
「ありがとうございます!」
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しまった…お酒という強力な【好子】に屈してしまった。今週中に取材に来るらしい…

さて、前の日記で【潜在意識】について書いた。
☞「塾ジイの日記」10 https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5154126/
【〈“目標達成した自分から見える景色”をしっかり脳裏に焼き付ける〉とその方向に引き寄せられる】と言うと、オカルトチックという声も聞こえてきそうじゃが、実践した受験生の合格率がその真意を物語っている。わしは3月~4月のいわゆる新年度の時期に受験生のクラス(小学6年生&中学3年生)の生徒に対して志望校の下見をするようアドバイスしていた。学校の場所や雰囲気の確認以外に【志望校を脳裏に焼き付ける作業=校舎をスマホで撮影】を奨励した。その写真を毎日見る。ただ見るだけではなく【その学校の生徒になったつもりで見る】ことを強く奨めた。この作業によって【潜在意識に“志望校合格”という目標を“現実”として認識させる】ことができる。受験勉強を始めるにあたり、この方略は非常に有効じゃ。毎日やることによってルーティン(習慣)化し、脳が【好子】として認識する。このスパイラルを作ることが、意識面での目標達成への【一丁目一番地】なんじゃな。

という指導を長年やってきたので…わしもその通りの作業をやって効果を実証してみたいと思い、京都府の行政書士会館の写真を撮ってきた。
合格後ここで様々な研修を受けることになる。生徒に指導したように毎日この写真を見て【自分が行政書士としてあのドアを開け、受付の人に挨拶をしているシーンを毎日イメージする】作業を日々の学習前に実行することにした。
これで【わしの内にいる自分(意識)】の準備は整った。つぎは【外にいる自分(認知)】の準備に入ろう。

行政書士会館の近くに良さげな居酒屋があったな…今度行ってみて良かったら【合格後の好子】に加えることにしよう。
 
*参考書籍:
人生を変える!心のブレーキの外し方 石井裕之 著
デキる大人の 勉強脳の作り方 池谷裕二 監修

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久保克己(塾講師)

株式会社京進

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