「塾ジイの日記」32 ―諦めという名の鎖を身をよじってほどいてゆく―
今回のコラムは前回お話した「悪戦苦闘能力」のひとつ感性を伸ばす、
「家の手伝い」についてお話したいと思います。
夏休みが始まりましたが、お子様の様子は如何でしょうか。
「家のお手伝い」に積極的に取り組んでいらっしゃいますか?
受験生にとっては、夏は受験の天王山と言われています。
遊ぶ時間やテレビを見る時間を削って、頑張っておられる事と思います。
また、受験生以外も、学校の宿題やクラブ活動などで、
忙しく過ごしておられるお子様も多いと思います。
そんなお子様をご覧になって、「家の手伝いなんかしなくていいから、
勉強しなさい」とおっしゃる方も多いのではないでしょうか。
前回のコラムでご紹介した大畑先生は
子どもに家の手伝いをさせる事で、以下の効果があるとおっしゃっています。
①子どもは家での役割を自覚する。
②仕事の段取りや手順を覚える
③仕事を体験する事で、感謝や思いやりの心(=感性)が育つ
では、家の手伝いをする事が、勉強や受験に役立つのでしょうか?
以前、生徒達に「家の手伝いをしているか?」と聞いた事があります。
かなりの割合の生徒が手をあげてくれました。
次に、「家の手伝いをして、良かった事は?」を聞くと、
「勉強の気分転換になる」「手伝いをしながら親と話をする」という答えが返ってきました。
その時に私が強く感じた事は、「家の手伝いをしている」と答えた生徒の表情が明るかった事です。「家の手伝いをしている」と答えた生徒は、受験当日も緊張にのまれることなく
非常に素晴らしい結果を出してくれました。
私が思うに「家の手伝い」をしている生徒達は、
手伝いを通して勉強や試験の「段取り」「手順」について自ら考え、
工夫して取り組む力が身につき、そして何よりも「家の手伝い」を通して
お母様やお父様とコミュニケーションをとることで何事にも明るく向かっていける
強い心が育まれていたのではないのでしょうか。
出来ればこの夏休み、みなさまもお子様に「家の手伝い」をさせてあげてください。
あまり長くさせる必要はありません。
初めは一日5分~10分でもかまいません。受験生は気分転換程度で構いません。
家の手伝いをさせながら、親子で学校の事、友人の事、受験の事など、話してみては如何でしょう。社会で問題になっている事や、最近読んだ本の事などを話してあげるのも良いかもしれません。
家のお手伝いを通し、親子でコミュニケーションをとる事は、受験にも今後のお子様の成長にとっても、精神面でも必ずプラスになると思います。