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丹念な聞き取りで相談者に寄り添う。障害年金に特化した社会保険労務士

障害年金請求支援を通じて顧客の人生を応援するプロ

平尾豪

平尾豪 ひらおたけし
平尾豪 ひらおたけし

#chapter1

障害年金の正しい受給で安心して暮らせる社会に。亀岡・南丹で無料相談会を開催

 障害年金は、病気やケガで生活や仕事などが制限される場合に支給される、国の公的な年金です。うつ病、統合失調症といった精神疾患、脳梗塞、脳出血などの脳疾患、目・耳の疾患、ペースメーカーや人工関節を体に入れている人、人工透析を受けている人、がん、アルツハイマー型認知症、交通事故による後遺症、発達障害など、対象は多岐にわたります。

 「障害や病気を患う方に対し、ある程度の所得を補償する制度ですが、まだ認知度が低いのが現状です。今は健康でも、いつ何があるか分かりません。多くの方に障害年金を知っていただき、本来、受け取れる権利を持つ方が正しく受給して、治療に専念したり、自分のペースで働いたりできるようになれば、誰もが安心して暮らせる社会につながるはずです」

 そう話すのは、「平尾社会保険労務士事務所」の平尾豪さん。京都府亀岡市を拠点に、障害年金に特化した社会保険労務士として、10年余り活動してきました。

 障害年金の給付を受けるためには一定の要件を満たす必要があり、医師の診断書をはじめ提出書類も多数。自力で進めるには煩雑で、断念する人も少なくありません。平尾さんは、専門知識と豊富な経験を生かして粘り強く方策を探り、手続きを代行しています。

 「障害者手帳がないと申請できないと思い込んでいる方もいますが、関係ありません。時効になると数年分が受け取れなくなってしまうこともありますので、まずはご相談ください」

 平尾さんは毎月、亀岡市・南丹市で無料相談会を開催。一人一人に寄り添った丹念な聞き取りが身上です。

#chapter2

65歳で社労士として開業。地域の福祉事務所で障害年金支援のノウハウを蓄積

 同志社大学2回生だった20歳の頃から、「いつか自分の事務所を持ちたい」と展望を描いていた平尾さん。卒業後は損害保険会社に就職し、20年余りを広島県内で過ごします。

 学生生活を送った思い出の地、京都に転勤したことで若き日の情熱が再燃。50代半ばで早期退職し、社労士を目指すことを決めました。試験では何度も涙をのみながらも挑戦を続け、65歳で合格。2011年9月にオフィスを立ち上げ、45年越しの夢をかなえました。

 開業後は、地域住民の暮らしを支える福祉事務所で、障害年金の請求業務に尽力します。そこで出会ったのは、さまざまな事情を抱えた生活保護受給者で、生活する上での困り事に応えるケースワーカーが不足している現実も目の当たりにしました。
 「福祉事務所に行けばじっくり話を聞いてもらえて、必要な支援がスムーズに受けられるのが本来あるべき姿ですが、1人のケースワーカーが数十名を担当していることで、きめ細やかな支援が難しくなっているのを知りました。少しでもお役に立ちたいと思い、相談者のお声に耳を傾けました」

 週2回、年金記録の確認や請求手続きを行い、申請件数は6年間で延べ300件以上。実務を通じてケースに応じた幅広いノウハウを蓄積し、自身への依頼も増えていきました。

 平尾さんのサポートで、脳出血が原因で脳機能障害となった男性が5年間さかのぼって約1100万円受給できた事例や、不支給の判定が覆り支給開始に至った精神疾患の事例などもあります。

#chapter3

養蜂や駄菓子づくりを通して社会と交わり、人生を楽しめるよう「にしょう倶楽部」をスタート

 傷病や悩みを抱える本人や家族と向き合う中で、「年金受給からもう1歩踏み込んだ支援ができないか?」と考えるように。65歳で社労士を始めた自身のキャリアも踏まえ、「にしょう倶楽部」という活動をスタートしました。

 「約30年間の会社員生活では、組織に属していることで信用を得ていました。それが終わった後は一個人として、社会に貢献できることを模索してきました。一身にして二つの生き方、“二生” を生きている気持ちでいます」

 平尾さんは、体調を崩して家にこもったり、転職を繰り返したりする人へメッセージを送ります。
 「歯がゆさがあるかもしれませんが、“一生め”が思い通りでなくても“二生め”があります。人生100年の時代、後半では楽しんで生きていただきたい。そんな願いを込めて『にしょう倶楽部』としました」

 社会との接点が少ない人に、「外の世界って面白いこともあるで」と伝える場になればと、養蜂や米をふくらませて作る駄菓子「ポン菓子」作りを始めています。
 「どちらも誰もが知っているけれど、あまり注目されてないもの。私は、今見過ごしているものの中にこそ宝があるのではと考えています。みんなと同じじゃなくていい。就労という形でなくてもかまわない。まずは一つのことを通して社会とつながり、続けることで自信を持って生きる人が増えたらうれしいですね」

 小規模事業者の助成金活用にも取り組み、事業の後押しをすることで、健やかな地域づくりを目指していきたいと語ります。

(取材年月:2023年7月)

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平尾豪

障害年金請求支援を通じて顧客の人生を応援するプロ

平尾豪プロ

社会保険労務士

平尾社会保険労務士事務所

障害年金に特化した社労士として10年以上の実績。制度周知のため亀岡市・南丹市で無料相談会を開催中。受給者・家族が社会とつながり前向きに生きるための支援としてサークルを立ち上げ生業づくりにも取り組む。

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