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築年数より、状態 | 築40年リノベーション実例

假屋英樹

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テーマ:リノベーション


「築40年、本当に大丈夫ですか?」
物件を見に来たお客様に、そう聞かれることがあります。
答えは「状態次第で、むしろ狙い目です」。この家がまさに、そのひとつでした。

出会いは、古びた外観から

黄ばんだ外壁、草が伸びた庭、年季の入った玄関ドア。
正直なところ、最初の印象は「古い家」以外の何ものでもありませんでした。
中古住宅の建物を見るとき、確認すべきポイントはたくさんあります。その中でも特に大切なのが、雨漏り・シロアリ・傾きの三つです。見た目より先に、この三つがクリアできていれば「活かせる家」と判断できる。この家は、合格でした。

まず、見えないところから

リノベーションで一番大切にしたのは、見た目より先に「安全と快適」を整えることです。
耐震性能は、診断の結果0.45という数値でした。これは「大きな地震で倒壊する危険がある」水準。それを補強工事によって1.5まで引き上げました。新築で求められる基準(1.0)を上回る、1.6という安心の強さになっています。
断熱性能は、もともとほぼゼロの状態でした。壁の中に何も入っていない、いわゆる「無断熱」の家です。そこから、国が定めるZEH水準(省エネ基準の上位ランク)まで一気に引き上げました。夏の暑さ、冬の底冷え——そういった「古い家あるある」が、この工事でほぼ解消されます。
目には見えない部分に、いちばん手間とコストをかけました。

窓を見直したら、家が変わった

実は、窓は家の弱点になりやすい場所です。
熱の出入りの約7割は窓から起きると言われています。冬に窓際に座ると寒い、夏はカーテンを閉めても暑い——そのほとんどは窓が原因です。断熱をいくら頑張っても、窓がそのままでは効果が半減してしまいます。
もうひとつ、窓が多いと壁が少なくなり、耐震性にも影響します。この家はもともと窓だらけで、外からの視線も気になる状態でした。
そこで今回は、窓の数を絞り、必要な場所に小さなスリット窓を配置しました。外からは中が見えず、壁が増えた分だけ家も強くなる。そして断熱性能はぐっと上がる。窓を「減らす」ことが、快適さへの近道でした。


きれいにするだけじゃない、暮らしが変わる

基礎を整えたあとは、内外装を全面的に刷新しました。
くすんだ外壁は白いモルタル仕上げに。古い木の玄関ドアは温もりのある新しいものへ。中に入ると、畳敷きの和室とふすまで仕切られていた間取りが、アイランドキッチンを中心としたLDKに生まれ変わっています。壁一面の造作棚、ネイビーのアクセントウォール、黒×白のユニットバス——どこを見ても、築40年とは思えない空間になりました。


築40年がダメなわけじゃない

築年数は、ひとつの目安に過ぎません。大切なのは「今、その家がどんな状態か」です。
骨格がしっかりしていれば、現代の基準で安全と快適を加えることができる。状態を見極めて、活かせる物件を選ぶ——それがリノベーション済み中古住宅の、本当の価値だと私たちは考えています。


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假屋英樹
専門家

假屋英樹(不動産売買・リフォーム業)

株式会社クラブハウスエステート

不動産・リノベーションに携わって30年。中古住宅再生・性能向上リノベーションに注力してきました。「こんな家が欲しかった」人も環境も家計も喜ぶ家づくりをリノベーションで叶えます。

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