Mybestpro Members

假屋英樹プロは熊本朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

ナフサショック 家づくりで今知っておくべきこと

假屋英樹

假屋英樹

テーマ:家づくり



2026年「ナフサショック」——あなたの家づくりに、静かな波が押し寄せています
「また値上がりするの?」最近、そんな声が増えています。
2021年のウッドショック(木材不足)から始まり、
半導体不足、そして今度は「ナフサショック」。
住宅業界は次々と押し寄せる資材の波にさらされています。
出典:建設物価調査会・各社公表資料・政府資料(2026年4月時点)

ナフサって何?

ナフサは石油を精製するときに取り出される液体で、
プラスチックや塗料・接着剤のもとになる原料です。
「木で建てる家には関係ない」と思われるかもしれませんが、
実は現代の家には石油由来の素材がいたるところに使われています。
・断熱材(ウレタン・ポリスチレンフォームなど)
・水回りの塩ビ管・配管材
・外壁塗料・シンナー
・内装クロス・接着剤・シーリング材

なぜ今、起きているのか

2026年2月、米国・イスラエルによるイラン攻撃をきっかけにホルムズ海峡が
事実上の封鎖状態となりました。
日本の原油輸入の約90%はこのルートに依存しており、ナフサの供給が急激に
不安定化しました。
さらに深刻なのは構造的な問題です。日本のナフサ国家備蓄はゼロ
(原油は約230日分あるが対象外)
代替調達先だった韓国も輸出禁止に踏み切り、日本のナフサ調達は事実上
ほぼ中東一択の状態に追い込まれました。

「石油(ガソリン・灯油)」はとりあえず大丈夫?

ガソリンや灯油などの燃料は、原油230日分の国家備蓄と代替調達の組み合わせで
当面の供給はある程度担保されています。
ただし問題は「順番」です。備蓄原油が精製されてもガソリン・軽油などの燃料生産が
優先され、家の建材の原料となるナフサへの配分は後回しになる構造です。
つまり「石油は大丈夫だけど、家を作る材料のほうが先に詰まる」のが正確な状況です。

具体的な状況(2026年4月時点)

【受注停止・制限】

・一部断熱材(旭化成建材「ネオマフォーム」など)
 受注制限・生産調整
・防水材(田島ルーフィング)・ルーフィング(日新工業)
 一部製品で受注調整・納期未定
・外壁塗料・下塗り材(日本ペイント)         
 溶剤系を中心に一部受注制限
・接着剤(三協化学)                 
 供給優先順位の見直し・新規制限
・ユニットバス(TOTO・LIXIL・クリナップ)
 4月に一時受注停止→段階再開。ただし部材確保は依然不安定で納期は注文ごとに回答

【納期が読めない状態】

・樹脂サッシ(LIXIL・YKK AP)  
 5〜15%値上げ確定、納期は状況により長期化の可能性あり
・パナソニックHS        
 バス・トイレ全製品(アラウーノ含む全シリーズ)の納期回答を停止
・塩ビ管・配管材(フクビ化学工業)
 供給・受注制限の恐れを公表

【主な値上げ一覧】

・断熱材 :約40%値上げ(各社4〜6月出荷分より順次)
・外壁塗料・シンナー(日本ペイントHD)    :最大75%値上げ
・塗料(エスケー化研)            :10〜30%値上げ(5月出荷分)
・シーリング材・接着剤(サンスター技研)   :30%以上値上げ
・溶剤系製品(シャープ化学工業)       :40%以上値上げ
・サッシ・ドア(LIXIL・YKK AP)       :5〜15%値上げ(4月24日受注分〜)
・屋根材「リッジウェイ」(旭ファイバーグラス):30%値上げ(7月1日出荷分〜)
・建具・床材・収納(ウッドワン)       :一律15%値上げ(6月22日受注分〜)

住宅本体の建築費も工務店各社が4月以降の契約分に70〜100万円のコストアップを織り込み済み

断熱材——影響を受けるものと受けにくいもの

大きく影響を受けているのは石油由来の「発泡プラスチック系」断熱材です。
床断熱に多く使われる押出法ポリスチレンフォーム(XPS=カネライトフォーム・
スタイロフォームなど)や硬質ウレタンフォームで約40%の値上げが起きています。
一方、比較的影響が少ない断熱材もあります。
・グラスウール・ロックウール:
ガラスや岩石が原料で石油由来ではないため影響を受けにくい。
ただし石油系からの乗り換え需要が集中し、数量制限・納期調整が始まっている
・セルロースファイバー:
古紙が原料で石油由来の成分をほぼ使用しない。比較的安定
なお国土交通省は、発泡プラスチック系から無機繊維系・天然繊維系に変更する場合、
外皮性能が維持されれば省エネ計画の変更手続き不要と明示しました。
担当者に相談しやすくなっています。

今後の見通し——夏以降が本番

政府は「6ヶ月分の供給を確保している」と説明していますが、
現場レベルでは既に品薄が起きています。
専門家の間では2026年夏以降に価格の二次上昇
(一次:原料高騰分、二次:物流・運営コスト増)が
本格化するとの見方が強く、先行きはホルムズ海峡の
情勢次第で「いつ終わるかわからない」状態です。

工務店選びで気をつけたいこと

今回のナフサショックは価格上昇だけでなく、
工務店のキャッシュフローにも直撃します。
資材コストが急騰するなかで固定価格で受注した
工務店は利益が消え、最悪の場合、着工した家が
未完成のまま放置されるリスクがあります。

施主として確認しておきたいこと

・住宅完成保証制度への加入状況を契約前に必ず確認
・支払いは工程ごとの分割払いにし、前払い一括は避ける
・担当会社のSNS・ホームページの更新が止まっていないか定期的に確認
・見積書の有効期限とスライド条項(価格変動条項)を必ず読む

「待てば安くなる」は、もう通用しない

価格は待てば下がる時代ではありません。
専門家の多くが「総額の5〜10%程度の予備費を組み込んだうえで早期に決断することが有利」
と指摘しています。
契約した順に材料が発注・確保されるため、待てば待つほど状況が悪化する可能性があります。

対策まとめ

・断熱材の種類を確認し、必要であれば非石油系への切り替えを相談する
・採用予定設備(ユニットバス等)の最新の納期状況を担当者に確認する
・見積書の有効期限・スライド条項を必ず確認する
・予備費として100〜200万円は手元に確保しておく
・補助金(先進的窓リノベ・みらいエコ住宅など)を活用して値上がり分を吸収する
・工務店の完成保証加入・支払い分割払いで万が一に備える
ご不安なことがあれば、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
リノベーション済み中古住宅という、資材不足の影響を受けない選択肢についても、一緒に考えさせていただきます。

この記事の詳細はこちらから
Clubhouse Estate(クラブハウスエステート)
熊本県の中古住宅リノベーション専門 https://clubhouse-estate.jp/
出典:建設物価調査会・各社公表資料・国土交通省・経済産業省(2026年4月時点)をもとに作成

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

假屋英樹
専門家

假屋英樹(不動産売買・リフォーム業)

株式会社クラブハウスエステート

不動産・リノベーションに携わって30年。中古住宅再生・性能向上リノベーションに注力してきました。「こんな家が欲しかった」人も環境も家計も喜ぶ家づくりをリノベーションで叶えます。

假屋英樹プロは熊本朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

不動産の売買もリノベーションも任せられるプロ

假屋英樹プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼