Vol.4 「学び」を楽しむということ 〜プログラミング教育を通して考える〜
はじめに
プログラミングを学び始めた人の中には、こんなふうに感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
「if文とかfor文は分かった。でも、じゃあ自分で何か作ってみてと言われると、あれ?何もできない…」
そう、ここには明らかに“壁”があります。
この「学んだけど、作れない」という断絶。
ここではこれを、マーケティングの世界で使われる「キャズム理論」になぞらえて、「学習のキャズム」と呼びたいと思います。
キャズム理論とは?
キャズム理論とは、新しい技術や製品が市場に浸透するまでに越えなければならない「溝」のこと。
アーリーアダプター(新しいもの好き)と、アーリーマジョリティ(実用重視派)の間には、価値観のギャップがあり、そこに大きなキャズム(Chasm)が存在するのです。
もしかしなくてもそれは、プログラミング学習にもそっくり当てはまる構造ではないでしょうか。
初学者が直面するキャズム
学び始めたばかりの頃は、環境構築やHello Worldにワクワクしながら進みます。
変数や条件分岐、繰り返し処理も「ふむふむ」と手を動かしながら習得できます。
しかし、ある地点に到達すると、多くの人が立ち止まります。
- 「作りたいものが思い浮かばない」
- 「どうやって組み立てたらいいかわからない」
- 「コードの書き方に“正解”がないのが怖い」
そう、ここが学習のキャズムなのです。
その壁を越える新しい方法、「バイブコーディング」
最近、「バイブコーディング(Vibe Coding)」という新しいスタイルのコーディングが話題になっています。
これは、AIと対話しながら自然言語で「こんなものを作りたい」と伝えることで、コードを生成してもらうという手法です。
例えば…
「じゃんけんアプリを作りたい。ボタンを押したら勝敗が表示されるやつ」
とAIに話しかけるだけで、実際に動くアプリのコードが返ってくるのです。
初学者にとって、この「すぐ動く体験」はものすごく強力です。
なぜ、キャズムを超える「橋」になり得るのか?
1. 「作れた!」という小さな成功体験が得られる
コーディングの達成感は、「形になる」ことで生まれます。
バイブコーディングなら、最初の達成感を最短距離で味わえます。
2. アイデアをそのまま形にできる
「英語の勉強に使えるフラッシュカードアプリ」
「クリックすると名言が出る癒しツール」
など、自分の中の“なんとなく”が、そのままコードとして返ってきます。
3. 作りながら学べる
コードをAIが生成したあとで、
「この関数ってどういう意味?」
と聞けば、丁寧に説明してくれるのです。まるでコーディング家庭教師のようです。
でも…注意も必要です(><)
もちろん、「全部AI任せ」にしてしまうと、以下のようなリスクもあります。
- 生成されたコードの中身を理解せずに使うだけになってしまう
- バグやセキュリティの問題に気づけない
- 自分での応用や改造ができなくなる
大切なのは、「AIに作ってもらって終わり」ではなく、「なぜこのコードなのか」を考えることです。
活用のコツ
初心者がバイブコーディングを使うときは、こんなステップを意識すると良いでしょう。
- 小さなアプリを作ってみる(おみくじ、電卓、カウントダウンなど)
- AIに質問しながらコードを理解する
- 少しずつ自分で改造する
- 完成後に「このコード、どこが良くない?」と聞いてみる
こうしていくと、「作れるし、分かる」学びのループが生まれていきます。
おわりに
プログラミング学習にはキャズムがあります。
でも、そのキャズムを「飛び越えられない壁」と思う必要はありません。
今は、AIという強力な橋があります( *´艸`)
バイブコーディングは、ただ便利な道具ではなく、学びの可能性を広げる新しい入り口なのです。
あなたも、ぜひその一歩を踏み出してみてください。
応援しています。
リンク
バイブコーディングとは?(Business Insider 記事)
Silicon Valley's next act: bri




