Vol.30 キャズムを越えろ!― 初学者の壁と「バイブコーディング」という橋 ―

みなさん、こんにちは。GW終わってしまいましたね~(><)
何か楽しい体験できましたでしょうか?
今日は、普段小~高校生が通うプログラミングスクールや、職業訓練を運営している立場から、最近Yahooニュースにアップされた記事が気になったのでこれを題材に記事を書いてみたいと思います。
AIの影響で、米国のプログラマー雇用数が1980年以来の最低
目次
プログラママーの需要はオワコン?
記事の内容はとっても興味深々なもので、これからのプログラミング教育についても考えさせられます。
アメリカではなんと、プログラマーの数が2年間で27.5%も減ったそうですよ。ChatGPTなどのAIがコードを生み出せるようになり、単純なコーディング作業を担う人の需要が減っているのだとか・・・
ただ、やはりこれは決して「プログラミング教育が無意味になった」ということではないように感じました。
むしろ、私たちがこれから子どもたちに伝えるべきことが明確になったのだと思います。
変わりつつあるプログラミングの世界
GoogleのCEOが「今、会社で使われる新しいコードの4分の1以上はAIが作っている」と話していますし、OpenAIのサム・アルトマンCEOも、多くの会社ではもうAIがコーディング作業の半分を担っていると言っているようですね。
すご!日本にもそんな流れくるのかなぁ。
記事中でも書かれていますが、単純なコードを書く「プログラマー」の仕事は減っていますが、より幅広い視点で開発に関わる「ソフトウェア開発者」の仕事はほとんど減っていないようです。
この違いが教えてくれることは何でしょうか?
アルトマン氏の言葉に込められた大切なメッセージ
アルトマン氏は「考え方を学び、問題を整理する方法を学び、人間だけでなく機械とも明確にコミュニケーションする(AIに適切な指示を出す)方法を学ぶべきだ」と提案しています。
プログラミングスクールを運営する自分からすると、この言葉には大きくうなずけます。子どもたちに本当に必要なのは、まさにこんな力ではないでしょうか。
1. 「どう考えるか」を学ぶこと
プログラミング言語の文法を覚えることよりも、問題解決のための考え方を身につけることがやはり大切です。
「こうしたらどうなるかな?」
「もっと良い方法はないかな?」
と考える習慣が、将来どんな道に進んでも、どんな社会になっても役に立ちます。
2. 「問題を見つける目」を育てること
AIはとっても賢いんですれど、「何が問題なのか」を見つけるところは、まだまだ人間の仕事です。
「これ、こうなったらもっと便利かも!」と気づける力は、AIには真似できない人間の強みです。
だって、人間が考える「問題」とは単純な正解不正解ではないんですものね(=゜ω゜)ノ
3. AIとの「対話力」を養うこと
これからの時代において、「AIとうまく会話できる力」=「新しい時代の読み書き」が重要になると思います。
どうやったらAIに自分の考えを伝えられるか、そのコツやルールを知ることは、まるで国語を勉強するようなもので、コミュニケーション力を高める必要性がありますね。
プログラミングは「これからの“読み書きそろばん”」
安倍元首相
誰でも「なんとなく」作れる時代がきた
元々、MIT(マサチューセッツ工科大学)にて開発された学習用のプログラミング環境「Scratch」は、今やどの小学校でもプログラミング教育の文脈でまるで当たり前のように取り扱われています。
Scratchは、難しいプログラミング言語のルールなんて全然知らない子どもたちでも、感覚的に、まるで積み木のようにトライ&エラーを繰り返しながらプログラミングの考え方を学習できるとても優秀なアプリケーションですね。
記事でも紹介されている「バイブコーディング」(なんとなくのコーディング)という言葉は、現在とても流行り始めていますし、自分もなんとなくコーディングをばんばんしています(*^^*)
バイブコーディングを考えるときに、Scratchの先見性や偉大さを感じました。
みなさん、今やプログラミングの専門知識がなくても、AIに上手に伝えることで、アプリやウェブサイトが作れる時代になったんですよ?
これってかなり素晴らしいことですよね!
かつては専門家だけが作れたものを、子どもたちに限らず、プログラミングを知らない誰でもが作れる。
自分のアイデアを形にできる可能性が広がるのです。
この「バイブコーディング」については、もう少ししたらオンラインの講座を開いてみようかと考えています(宣伝!(/・ω・)/)
子どもたちに伝えたい未来の学び方
- 創造力:「こんなものがあったらいいな」と想像できる力
- 考える力:AIが出した答えを「本当にこれでいいのかな?」と見直せる力
- 伝える力:自分の考えをAIや友だちにわかりやすく伝える力
- 判断する力:「これは本当に役立つものかな?」と考えられる力
自分の運営しているスターティングPCスクール(Stapa Programmer's Guild)においても、このように視点は変わらず持ち続けつつ、内容はアップデートしていきます!
(まとめ)プログラミング教育の新しい形
アルトマン氏の言葉やAIの台頭は、プログラミング教育に携わる私たちとって、新しい視点を持つべきという気付きを与えてくれます。
子どもたちには、「AIに負けない」スキルではなく、「AIと一緒に新しい世界を作る」スキルを身につけてほしいと思います。
それは、ただコードを書く技術ではなく、「問題を見つけ、考えを整理し、AIも含めた周りの人たちと上手に対話する力」なのだと思います。
馬車が自動車に変わり、計算機が電卓に変わったように、技術の進歩によって仕事のあり方が変わることは、いつの時代にもありました。
今起きている変化も、子どもたちにとっては新しい可能性への入り口でしかありません。
「何を知っているか」ではなく「どう考えるか」。
みなさんも、バイブコーディングしながら、プログラミングの在り方、プログラミング教育の在り方をいっしょに考えてみませんか?



