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土居郁男プロは高知放送が厳正なる審査をした登録専門家です

Vol.1 偶然を育てる学び ― 「Planned Happenstance-Based Learning」という考え方

土居郁男

土居郁男

テーマ:プログラミング教育

わたしは、アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴで設立されたチャータースクール「High Tech High(HTH)」の理念に共感し、個人の興味関心を最大限に引き出しながら、
【まるで偶然のように必然の学びが生まれる教育】
を実現しようと、地方で小さなプログラミングスクールと学習塾を運営しています。

また、それと同時に職業訓練も年に数回を目途に実施しており、キャリアの階段的成長やキャリアアンカーの考え方も大切にしながら、
それ以上に「予測困難な時代(VUCA)」において重要視されるであろう、プランドハップンスタンス理論(Planned Happenstance Theory) の重さについて実感し続けています。
※自分自身の起業や事業の発展もまた「偶然の産物」にしかすぎません。

ある時から、自分の体験や事業の成果を基に、独自の呼び方で
「Planned Happenstance-Based Learning(偶然を育てる学び)」
という独自の考え方を持つようになりました。
備忘録的にその理念と実践について自分なりにまとめておきたい書いてみたいと思います。

Planned Happenstance-Based Learningとは

学びとは、計画された偶然によって、自らの可能性を拡張する営み

Stapa Programmer's Guild(プログラミングスクール) Stapa EduAI Library(学習塾)では、決められたテキストやカリキュラム、一般的な学習の手順に頼らず、一人ひとりの小さな「興味」や「関心」などから得られる「偶然の出会い」とその「感動」を大事にして対話により深めていくことで、「その生徒にとっての必然」
となる力(スキル・思考・キャリア)が自然に形成されていくことをサポートするような目標を掲げています。

その理想的な学びのスタンスとしては、HTHで用いられる手法であるPBL(Project Based Learning)
を実践する中で「意図された偶然」「計画された偶発性」
的に発見されていく様々な輝き・・生徒たちの可能性という名前の「点」
の、その直径を、対話によって最大限に大きくすることとしています。

点が大きければ、すぐに消え去ることがなく、他の点とも結びつきやすくなるのではないかという考え方です(Connecting the dots)

プログラミングとの親和性

プログラミング教育を改めて考え直してみると、実はプランドハップンスタンス理論に基づく次の5つの力を育てることにとても適しているのではないかと考えられます。

  • 好奇心(Curiosity)

 新しい技術や未知の課題に対して「知りたい」と思う気持ちを育む

  • 持続性(Persistence)

 エラーや失敗に直面しても、試行錯誤を続ける力を身につける

  • 柔軟性(Flexibility)

 計画通りにいかないときにも、発想を変え、道を探し直せるしなやかさを持つ

  • 楽観性(Optimism)

 どんな状況でも「できるかもしれない」「何か学べるかもしれない」と希望を持ち続ける

  • リスクテイク(Risk-taking)

 正解がわからないことにも、怖れず一歩を踏み出せる勇気を培う

プログラミング教育への応用イメージ

具体的なゴール(例:アプリやゲーム作成)を設定しながらも、
生徒一人ひとりが「自分が面白いと感じたテーマ」で自由にプロジェクトを選べる環境を作ります。

コース設計は「線形」ではなく「ネットワーク型」。
興味の広がりに応じて学びを連鎖させ、柔軟なカスタマイズを許可しています。(※決められたテキスト内でしか自由が許されず、対応ができるスタッフもいないのは楽しくありません)

小さな成功体験や偶然の発見を大切にフィードバックし、さもこの世で一番大きな発見をしたかのように対話を通して咀嚼してもらうことで、「自己効力感(Self-Efficacy)」
を育成します。

キャリア観を一つの型にはめず、いま目の前にある興味やチャンスを最大化することを重視します。(※そのため、まるで遊んでいるだけに見えるような時間も存在します)
失敗や寄り道も、学びの資産として肯定し、挑戦する姿勢そのものを称えます。それはとっても尊いことです。

小さな冒険が未来を切り拓く

プログラミングは、エラーや失敗、思い通りにいかない体験の連続です。
でも、それが面白くて夢中になれるものでもあります。
だって、マインクラフトなどのゲームだってそうでしょ?
だからこそ、そこで育まれる「小さな冒険」は、生徒たちにとって、これからのキャリアや人生を切り拓く力となって、知らず知らずに広いノートに点が書き込まれていくのです。

変化の大きな時代でも、自分らしくチャンスをつかみ取れるように!

いかがでしょう?
プログラミング教育ってやっぱり楽しそうでしょ?(*^^*)

あとがき

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
この「Planned Happenstance-Based Learning」という考え方は、まだ発展途上のものです(><)
ですが、これからの時代に必要な学び方のひとつの形になり得ると信じて日夜実践をしています。

もし共感していただける方がいれば、一緒に自由でわくわくする未来をつくるためにコラボしていきましょう!
感想やご意見もお待ちしています。

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土居郁男
専門家

土居郁男(プログラミング講師)

スターティングPCスクール(Stapa Programmer’s Guild)

生徒一人ひとりと対話して向き合い、本人自身も気づいていなかった強み、興味、関心、特徴などを見つけます。各自のプロジェクトを通じて、楽しみながらプログラミングを学べる、自由な雰囲気の教室です。

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