外壁を美しく保つための塗装選びと色選びのコツ
新築の家も、年数を経ていくことで経年劣化を避けることはできません。
そのなかでも外壁は、家全体の印象を決めるものでもあるため、常にきれいな状態を保っておきたいものです。そこで重要となるのが外壁メンテナンスとしての塗装です。
塗料の耐用年数、建物自体の耐用年数によりその頻度は異なりますが、定期的に塗装を行うことで家の美観を保つだけではなく、建物の耐久性をアップすることにもつながります。今回は、外壁塗装をお願いする業者選びのポイントについてご説明します
元請けと下請けの構造
「外壁の一部分だけ」「塗装がはがれ落ちた部分だけ」といったことであれば、自分で塗装することもできないことではありません。
しかし外壁全体の塗装となると足場を組む必要も出てくるため、専門業者に依頼するのが一般的です。しかしここで注意しておくべきは、どこに依頼をするのかです。
外壁塗装業者に依頼をする際、知っておくべきは元請けと下請けの構造です。「外壁塗装は塗装会社へ依頼すればいいのでは?」と思われるかもしれません。
しかし一口に塗装会社といっても、外壁塗装を行う会社は、塗装専門に行う会社のほか、大手の住宅メーカー、リフォームやリノベーションを行う会社以外にホームセンターや大手の家電量販店でも受付を行っている場合があります。
これらどこに依頼しても外壁塗装を行うことはできますが、実際に塗装を行うのは塗装会社です。つまり基本的にそれ以外の会社に依頼した場合は仲介という形になり、その分、工事費に仲介手数料が加わることになります。
では、塗装会社に依頼すればよいのかといえばそうではありません。塗装会社のなかでもしっかりと選択をしないと後になって後悔することになってしまいます。
実は塗装会社のなかでも、自社で営業から塗装まですべてを行う会社もあれば、営業だけ、塗装だけを行う会社、つまり元請けと下請けの会社があるのです。
そのため塗装だけを行っている会社に直接依頼をしても十分な見積もり設計ができない場合があります。また営業だけの会社に依頼すれば、ホームセンターや住宅メーカーに依頼するのと同じで仲介手数料がかかることがあります。
こうしたことから、外壁塗装を依頼する場合、営業も塗装も行う塗装会社を選択することをおすすめします。
見積もり段階で分かる、安心できない業者の傾向
依頼する塗装会社をいくつかに絞ったら、次に行うのは相見積もりの依頼です。最初から1社に絞ってしまうと、その見積もりが適正かどうかわかりませんので、必ず2~3社に相見積もりを行います。
家全体の外壁塗装をするとなると、やはりそれなりの料金がかかります。だからこそ業者を選択する際は、見積もり内容をしっかりとチェックしなくてはなりません。相見積もりを依頼するのはそのためですが、見積もりを見ただけでも「安心して依頼できない業者かどうか」がある程度判断可能です。
安心して塗装を依頼できない業者が出す見積書の傾向としてあるのが、説明不足な見積書です。細かい説明もなく「外壁塗装 一式 ○○円」といった見積書では、「外壁の現状がどうであり、だからこそこの塗料を使う」といったことが何もわかりません。
これでは実際に工事に入ってから、「思ったよりも塗装箇所が多かった」「下地処理が予想よりも大変だった」など、後からいくらでも追加請求をされてしまうリスクがあります。
また工事を行うのが下請け会社だった場合、追加請求をせずに料金内に納めるため手抜き工事をされてしまうリスクもあります。
見積書とはいえ、「一式」といったおおざっぱな料金しか出してこない業者は、必ず詳細を確認し、それでも回答がなければその時点で必ず断るようにしてください。
見積もり内でチェックすべきポイント
外壁塗装の見積もりの基本は、次の公式で算出されます。
「塗装する面積×塗料の単価=施工料金」
ここでチェックすべきポイントは「塗装する面積」です。塗装する面積は、必ず現場で計測して算出しなければなりません。図面にある延床面積だけで塗装する面積を算出することはできないため、塗装する面積はどう算出したのかは必ずチェックしてください。
次に「塗料の単価」ですが、これもどういった種類の塗料であっても1,500~8,000円が相場になっています(3~5回塗りをした場合)。もし1万円を超える単価で計算していたとしたら、どういった塗料を使うのか、何回塗りをするのかを必ずチェックしてください。
3つめのポイントは、見積もり内容が工事内容ごとに分けて記載されているか、数量や単位、単価の書き漏れはないかです。
前項で「一式」としか記載されていない見積書を出す業者は、選択肢から外してくださいとしました。しかし細かい内容を記載しているように見えても、例えば基礎工事、塗装、シーリングなど工事の項目ごとに分かれていない、数量や単価がなく合計料金だけが記載されている見積書も「一式」としか記載されていない見積書と大差ありません。
以上のことから、塗装面積を現地で計測していること、工事内容ごとに分類し、数量、単価がしっかりと記載されていること、こちらからの質問に対し誠実に回答してくれる業者であるかどうかをしっかりとチェックし、間違いのない業者選択を行ってください。