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尾池正幸

不動産買取りと保険付き中古リフォーム再販のプロ

尾池正幸(おいけまさゆき) / 不動産コンサルタント

有限会社パークホーム

コラム

任意売却のメリットとデメリット

2017年5月1日 公開 / 2019年4月11日更新

テーマ:高知の任売却

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: 任意売却

任意売却とは


任意売却とは債権者が物件を差し押さえ、競売にかけてしまう前に、専門家を通じて債権者に働きかけ、ローンを残したまま物件を売ってしまうことです。

競売に比べて市場価格に近い価格での売却が見込める他、立ち退き期日を相談できるなど、通常の不動産取引に近い自由があり、プライバシーも守られるので精神的な負担も少なくてすみます。

デメリットとしては仲介する専門家の手腕に大きく結果が左右されることや、「内覧に立ち会わなくてはいけない」などが挙げられますが、積極的に自分から売却に向けて動き、新しい人生の始まりのきっかけをつかんでください。

任意売却とは何か?

さて、今回は任意売却についてお話をいたします。

任意売却とは、住宅ローンや固定資産税が支払えなくなってご自分の物件を差し押さえられた際、専門の不動産コンサルタントが債権者と債務者の間に入ることで、ローンを残したまま家を売ってしまうことです。

この「任意売却のメリットとデメリット」についてご説明していきますが、「任意売却を行わなければ、どうなってしまうか?」ということも見ていきましょう。

通常、住宅ローンや固定資産税の延滞を続けたままにしておくと、その家に住み続ける権利を失って、家は“競売”にかけられてしまいます。

「競売」という言葉は、「任意売却」よりもみなさまにとって耳馴染みのある言葉かもしれませんが、その内実は厳しいものです。競売にかけられた物件のほとんどは、売却価格の相場よりもかなり安く売られてしまい、当然のことながら期日までには家からは出て行かなくてはなりません。
また、競売物件となった場合、チラシや新聞などに「自分の家が競売にかけられていること」が記載されるので、近所の方々にもそれらの情報が知られてしまうなど、経済面だけでなく精神面においても追い込まれることが多い状況となります。

そんな競売を避ける上で重要なのが任意売却になります。次項でそのメリットを具体的に挙げていきましょう。

任意売却のメリット

任意売却とは「債権者が物件を差し押さえ競売にかけてしまう前に、専門家を通じて債権者に働きかけ、ローンを残したまま物件を売ってしまうこと」です。

まず任意売却においては、競売に比べて比較的、市場価格に近い金額で物件を売ることができるため、経済的なメリットが見込めるということが大きな特徴です。競売の場合、安い値段で落札されてしまい、多額のローンが未払いのまま残ってしまうと、返済計画も立てようがありません。しかし、任意売却である程度の売却価格を得た上で、債権者と相談ができれば、無理のないローン返済計画を立てられる可能性もあります。

こうした債権者との相談で「ある程度の融通が利く」という点は、経済面に限ったことではありません。

例えば、競売で家が売られてしまえば、不動産業者の決めた立ち退き期日を過ぎると強制的に立ち退きを迫られるのに対し、任意売却においては、引っ越し時期などは話し合いで決めることができます。場合によっては、債権者が引っ越し費用を売却価格から支払ってくれることもあります。

「これほどの自由がどうして確保されるのか」というと、競売が裁判所の介入した強制的な売却であるのに対し、任意売却はあくまでも当事者間の合意に基づいた取引であるからです。

債務者という立場ではあるので、ぜいたくは言えないと思いますが、あくまでも売り手として納得のいく条件で売却を進めていくことができますので、精神的な負担も少なくてすみます。
また、プライバシーの問題も、通常の不動産取引と基本は同じですので、「あなたが住宅ローンを払えなくなったから家を売る」という情報が公になることはありません。

任意売却のデメリット

しかし、任意売却にもデメリット・注意点は存在します。

まず任意売却は「その物件を売る時期」と「それをいくらで売るか」ということが重要になってきますが、それらはあなたと買い手だけで決めることはできません。いくら普通の不動産取引と「原則的には同じ」だと言っても、債権者の同意が無ければ勝手に物件を売却することはできないのです。

そのため「債権者の同意が得られないまま期日が来てしまい、結局、競売になってしまう」といった状況に陥る可能性も出てきます。

つまり、買い手だけでなく、債権者との交渉を含む諸々の複雑な手続きを迅速にさばいていく専門家の手腕に大きく左右されるということです。そのため、専門家選びについても、実績などをきちんと調べ、適切な業者を選ぶことが大切です。

また、任意売却は内覧を求められれば、それに応じなくてはなりませんので、買うかどうかは不確定であっても、内覧を求める人の数だけ立ち会いを行わなくてはなりません。

しかし、一刻も早く買い手を見つけて、債権者も納得する値段で物件を売る必要があるので、あまり欲を出すのはよくありません。
競売を回避するためにも、積極的に売却に向けて動き回ることが肝心です。適切な支払いができないことで、持ち家を失うことが大きな痛手であることは間違いありませんが、賢く任意売却を進めることで、ポジティブに新しい人生を始めるきっかけをつかんでください。


次に、任意売却と競売の違い

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