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人槽算定の壁② 「たらいまわし」

掛水真一

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テーマ:浄化槽の人槽算定

そこに巨大な壁があると気づいたのは、最近のことだった。


本来であれば、昨年度に申請して工事予定のはずが、申請が通る前に令和5年度の補助金終了になってしまった、店舗兼住宅

この場合【店舗等との併用住宅】というくくりになり、住宅部分の床面積が1/2以上あれば補助の対象にはなるのでそこは問題ない。

問題はこの場合の人槽算定。店舗部分と住宅部分を別々に算定し、その合計が適正な人槽となるわけなのです。しかも端数は切り上げ。

どんなに小さい住宅でも最小5人槽。それに店舗部分を算定し足せば最低でも7人槽。下手したら10人槽さえ超えてしまう可能性すらある。


その店舗兼住宅はやっぱり田舎なので、平屋やけど広い。


延床面積は 約163㎡ 

住宅部分は 約122㎡

店舗部分は 約41㎡


これを算定式に当てはめると、住宅部分は130㎡≧122㎡なので5人槽

店舗は酒屋兼駄菓子屋。さすがに算定式の表に「酒屋兼駄菓子屋」という項目はないので、

《類似用途別番号》5 《建築用途》店舗関係 イ 店舗・マーケット 
《処理対象人員》 算定式 n(人員)=0.075×A(延べ面積)

当てはめると、 人員n=0.075×41=3.075  

切り上げで4人となり住宅部分を足すと5+4=9 ゆえに 10人槽




なんとか補助の対象の人槽ではあるけれど、おばあさん一人に10人槽はいらんろう。まあ、家は大きいき、店をやめたとしても7人槽はいれちょいた方がえいと思うき、7人槽にしてもらおう。



こんなふうに誰がどう考えても10人槽は

建築物用途別処理対象人員算定基準の表による算定では明らかに実情に添わないため・・・

って思うはず。だからそのときはまさかこんな展開になるなどとは夢にも思わなかったのである。





まずは、前回説明した「ただし書き」で、10人槽から7人槽への申請が通るかを相談しに高知県浄化槽協会へ。

いろいろ資料を探してくれたが、参考になるものは見つからず「役場か保健所がいいっていうならいいですよ」ってことで、「そりゃ地元ならわかってくれるろう!」ってことで役場へ。

絶対なんとかしてくれるやろうと資料を持って役場を訪問したけど担当者が不在。そのときおった人に内容を伝えてあったので、あとから電話がかかってきた。

その電話の内容は

「いろいろ資料をさがしたけど、参考事例を見つけることが出来ないので、県の建築指導課に相談したら、判断は各市町村と保健所の判断となるのでそちらで相談してくださいと言われたので、保健所に行ってみてください」・・・



まあ、保健所も申請者の地元やし何とかしてくれるろう


んで保健所にて

『これこれこういう理由でたらいまわしにされてここまできたんやけど、おばあさん一人で10人槽は実情に合わんでしょ?』と、

すると、「人槽算定は建築指導課なのでそちらに相談して下さい」

『いやいや、ここの前に役場に行ったら建築指導課に相談して、その建築指導課が、役場と保健所の判断やっていうき、ここへきちゅうんですけど』
『あそこの駅前の酒屋さんにおばあさん一人で住みよって、酒屋言うても店には手洗いの一つもないのに10人槽がいりますかって話ですが』
すると、もう一人の方が「あーあそこの酒屋ね。わかった。検討して後日連絡をするき」
と言ってくれた。

ふう。やはり実情が見えれば何とかしようとしてくれそうやなーと、少しは手ごたえを感じていたのだが・・・

翌日の電話

「建築指導課に相談しましたが、やはり前例がないということで難しいとのことです。人槽算定の判断は建築指導課なので、あとは直接お話して下さい」



ぐぎぎぎぎぎ・・・


現場の仕事の合間に建築指導課へ電話を掛けた

『これこれこういう理由で10人槽を7人槽にしたいんやけど、なんとかなりませんか?』

「いきなり電話してきて何とかなりませんかといわれても・・・」

『こないだ、保健所から相談があったはずなので資料があると思いますが?』

「わかりました、その資料を探してみてこちらからお電話します」



おいおいおいおい。これはひょっとして越えれん壁なのか!?今さら不安になってきた。



今度は、視点を替えて申請する側の意見を聞いてみることに。一般の工事店とは比べ物にならない数の申請をしゆうメーカーだから解決法があるのではないか。問屋の担当にメーカーへ相談させてくれって言うて、メーカーの申請の担当者が電話をかけてきてくれた。

『これこれこうで困っちゅうがやけど方法ないろうか?』という質問に「うーん。ちょっと参考例を調べてみます・・・」という鈍い返事。

そして、
「方々に聞いてみたのですが、無理みたいです。その場合は10人槽でしか申請できないみたいです。仮に虚偽の申請でバレたときには大変なことになるんで・・・」

っておいおい。実情に合ってないのに嘘つくことはないやろう。


そして、建築指導課からの電話

「保健所からの資料ありました。この条件でただし書きで10人槽を7人槽にするのは無理ですね」


ブチーン!!


一体なんなんだ。どこに聞いても誰に聞いてもたらいまわしか無理だとしか言わない・・・





この店があるだけで、どうして10人槽でないといかんのか!

従業員でも雇うと思うんか!!チクショー!腹が立つ!!



い、いかん。ここはコラムだ

怒りの番外編はホームページの「ようだい時々仕事ブログ」で吐き出す・・・



いえ、語らせていただきます。ってもう遅い?:(;゛゜''ω゜''):

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掛水真一
専門家

掛水真一(浄化槽設備士)

高知グリーンプロジェクト株式会社

浄化槽設置工事、下水道接続工事を専門としながら、水道工事、水まわりリフォーム全般に対応。高知の自然環境を守る企業として、一貫して作業に携わる現場重視のスタイルにこだわり、顔の見える技術提供に努めます。

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