ChatGPTを使った瞬間の予感
前回の投稿を書いた後、GPTsを試す機会がありました。内容はあまり詳しくは言えないのですが、患者様の服用した薬についてのチェックを目的とするGPTsです。
私も参考文献「ChatGPT GPTsが作れるようになる本」(ChatGPT研究所)を購入し、このGPTsを作成しました。本を読む時間は除き、実際に設定に要した時間は約1時間程度。
お客様とお話しし、プロンプトを書いて修正をお願いし、参考文献を見ながら修正されたプロンプトにほんの少し手を加え作成しました。
ただ今回失敗したのはGPTsに添付する参考資料でした。
GPTsでは「知識」としてファイルをアップロードすることができます。お客様とお話しし、辞書に当たる治療薬の解説書をスキャンしPDF化したファイル(35ファイル 約70ページ分)をアップロードしたのですが、「文字が抽出できません」というエラーメッセージが出てしまい、その後いろいろ苦労したのですが結局うまくいかずファイルアップロードは断念しました。
実は今回一番時間のかかったのがこのスキャン作業。約4時間かかりました。そしてできたファイルは使えないという事でかなり残念な結果となりました。
このGPTsはスマホで操作します。入力は薬のリストをそのスマホで撮影した画像です。この画像ファイルをGPTsに読み込ませると、それらの薬一つ一つについてGPTsが問題を指摘してくれます。私は医療に関して素人なのでその結果を評価できませんが、お客様からは「使えます」と好意的な評価を頂いています。
小さな出来事かもしれませんが、私は次の2つを肌で感じました。
1.GPTsによって今のあらゆる業務の質・量が一段上がる。
今まで薬のチェックは知っていればすぐ回答できますが、やはり人間の頭では覚えられる量に限りがあるので、どうしても辞書や参考文献に頼ってしまい、手作業でチェックするという事が必要になります。ところがGPTsを使う事で、この手作業の部分がほぼ無くなります。
今の今はまだその信頼性に疑問符もつきますが、それは多分時間が解決し、遠くない将来人間の確認は不要になる気がしています。
2.ITの経験などほとんど必要としなくてもアプリが作れる。
ファイルのスキャンを除けば、約40分で薬のチェックの仕組みができてしまう。これをシステム化しようとすると、画像ファイルを読み込み認識するだけで大変な労力を要するわけですが、これが40分で作成できてしまうという恐ろしさ…
ここに書いたことは、既に本やWebサイト等で色々言われていた事なわけで今更感がありますが、今回これをみて私はITを生業とする私たちの仕事も一段上に上がらなければいけないと確信しました。
今まで開発されたシステムの多くはごみ箱に捨てられるのではないか、
そして今まで「大規模システム」と呼ばれていた高額の開発費を要するシステムは、これからも同じように生き残っていけるのか?
さらに言えば多くのエンジニアを抱えてお客様の開発を請け負う会社は生き残れるのだろうか、いやかなり難しいのではないかと感じています。たとえ生き残ったとしても、開発対象の業務、そしてITエンジニアに要求される事は大きく変化していく気がします。
なにしろ「誰でもシステムが開発できる」のですから…