少し将来の事務処理システムを予測してみる

ChatGPTが現れたことで、私は遠くない将来全ての組織で稼働する事務処理システムが変わるのではと考えています。

どう変わるのかというと…
まずユーザー部門からの依頼で「もっと簡単な入力にしてくれ」という声が多くなり、それに伴い入力は手でキーボードを打つ、あるいはスマホでタッチキーを押すのではなく、「撮影する」ことが主流になるのではと考えています。

そしてその時、撮影された画像の横にボタンがあり、撮影後そのボタンを押すと、システムから「OK」の回答が来ます。もしその画像が不鮮明な場合、システムは「再度撮影してください」というメッセージを返します。

一旦OKが返された画像は、そこから処理に必要なデータを取得され、リアルタイムで売上日報のデータに自動入力されたり、支払管理のEXCELシートに記入されたり、あるいは受注管理システムに入力されたり、会計アプリに入力されたり…

ようするに「撮影」で入力が可能になるのです。ただ毎日何千枚も請求書や発注書を処理する必要がある場合、いちいちそれらを撮影することも大変ですので、その場合は「一括スキャン」します。（このような場合、ひょっとしたら会社間で何らかのシステムを共同で持ち、片方からの依頼がもう片方に届く時にはすでに電子化された状態になっているかもしれません）

とにかくここで重要な事は、システムへの入力作業が大幅に減るという事です。そしてそのシステムは、会社または組織で使用されるので、当然そのデータを処理する別の部署でも使用されます。

これからは、部署毎に必要な情報は、部署間をつなぐ「沢山の小さなプログラム群」で処理され且つその処理は自動化されていて、ユーザーからはそのプログラムの作業を意識することなく、常に最新の情報が自分の手元にあるという状態です。

いままでは、「そんなプログラムをだれが作り保守するんだ」という事だったのですが、
ChatGPTの登場で、だれもがプログラムを作れると考えるとどうでしょう？
例えば、今であれば、日本のどんな田舎の小さな会社でもパソコンがあって、そこでEXCELを操作する事は当たり前になっていると思います。

それと同じように、どこでもだれでも「プログラムが作れる」ことになればどうでしょう？

セキュリティの問題や信頼性はどうするんだという問題もあり、だれもが必要に応じてプログラムを作成し、簡単に本番使用とはいかないと思いますが、それでも小さい会社では結構軽いノリでこういう環境になるのではと考えています。

ChatGPTの登場で、プログラム開発・保守のコストが大幅にダウンするのです。今まで特殊技能であった技術が、ChatGPTの助けで誰でもできるようになるのですから。

そうなるとまず最初に起こりそうなことは、既に存在するシステム間でデータを手作業で入力、あるいは何かしら時間のかかる作業を行っていた業務から自動化される可能性は高いと思います。

そして次に起こるのは、そもそもその部署で使用していたシステム（あるいは単純にEXCELの帳票かもしれませんが）の見直しではないかと思います。

使用しているシステムの制約により、その結果がユーザーの欲しい情報に合わないので、時間をかけてそれを修正したのが、そのシステムの代わりに「小さなプログラム群」を使って、ドンピシャで欲しい情報を手に入れるシステムを構築するのです。

ユーザーにとって「使いづらい」と感じられるシステムが、「小さなプログラム群」で簡単に代替システムができるのであればそれに乗り換えると言った事も起り得るのではないでしょうか？

そしてこの結果起こるのが、「システムの変化のスピード」です。今までは「システム開発」にはまとまった時間と資金が必要でした。

しかし誰でもプログラムが書けるので、エンドユーザーは業務が変われば、それに合わせてプログラムを作り、（ちなみにプログラムの修正作業も無くなるような気さえしています。毎回ChatGPTがプログラムを書いてくれるわけですから…）新しい業務にシステムをフィットさせて行く…

このような環境になった場合、現在のシステムインテグレータはどうやって生きていくのでしょうか？？？

以上私の勝手な予測でした。