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柳井康伸プロは高知放送が厳正なる審査をした登録専門家です

キーボード打たないといけないなら私仕事辞めます

柳井康伸

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テーマ:地方企業をサポートするSEに必要な事

今回から私が高知に戻ってシステムズエンジニアとして活動する中で、実際にお客様との会話のなかで気づいたこと、ショックを受けたこと、苦労したことなど心に残っていることを共有したいと思います。

まだ前職の積善会に在籍していた頃、お客様のクリニックで看護師さんの使用する看護に関する記録を電子化し業務を効率化できないかという案件で、現場にお伺いし担当者とお話しした時の話です。

そのクリニックではExcelで作成し印刷したフォームに、手入力で情報を記入しそのままバインダーに閉じて保管するというスタイルで記録を管理していました。

その当時まだ「入力作業を簡単にする」という意識がそれほどない状態でしたので、そのフォームへの入力で、日付とか選択肢になっている欄を自動でセットできるようにし、プルダウンで選べるようにしたExcelファイルを作成し、クリニックに伺いました。

そして、看護師の方々とそのExcelフォームを実際にノートPCで操作しながら、「紙に書いて保存するよりは、こちらの方が効率的じゃないですか?」という事を聞いていたところ、ある方にこのタイトルのセリフ(とても衝撃的でした)を投げられました。

実際の所、それまで予想してはいましたが、高知(だけではないと思いますが…)では医療・介護機関では結構年配の方が働いていて、その方たちはずっと「手書き」で記録を取るという事を仕事で続けてきたわけです。

そのような仕事の仕方をずっと続けてきて、ある日急に目の前に現れたおっさんに「これからは手書きでなく、コンピュータに直接入力してください」といわれたら、確かにびっくりするだけでは済まないかもしれません。

私自身も逆に、ずっと東京で大企業のシステム導入・開発の仕事をしていたので、まさか「キーボード入力ができない」と言われるとは思いもしなかったわけです。

この話は2015年頃の話で、その当時私自身も「キーボード入力の経験が無くても社会の流れが電子化に向かっているため、本人も前向きな気持ちで取り組んでくれるだろう」と勝手に思っていました。

ところが現実はそれほど甘くなかったわけです。

ただ、その時私自身も「それじゃ入力をどうしたらもっと簡単にできるだろう」とは思わず、「慣れますから…」と言う言葉でその担当の方を説得しようとしましたが、結局うまくいきませんでした。

今にして思えば、自分の考えの足りなさが残念でしょうがないのですが、間違いなくこの言葉は私の腹の底と言うか頭に張り付いた気がしていて、その時から今まで忘れたことがありません。

その後言葉は違うものの同じような意味の言葉を何度も投げかけられ、自分のエンジニアとしての心構えが変わるきっかけになった言葉だと思っています。

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柳井康伸
専門家

柳井康伸(ITコンサルタント)

Digi&Dev 合同会社

「ITで生産性を高めたいが社内に分かる人がいない、何度か試したけどうまくいかない、外部に頼むとお金がかかる割に……」というお悩みを抱える方に、広く知られたソフトウェアを使って業務効率化をご支援します。

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