IT化プロジェクトで私が気をつけている事(入力編)
前回、前々回と業務効率化のためのIT導入の始まりについてお話ししました。
今回はちょっと視点を変えて、えらそうなタイトルで始めました。
あなたは、業務効率化のために最も重要な事は何だと思いますか?
私は、「経営者の意思」だと思っています。
そもそも経営者が現行業務に対し、なにかしらの不満やもやもや感が無いと「外部のIT技術者を入れて…」と言う話にはならないと思います。
ここで強調しておきたいのは、私が特に言及しているのは「地方にある中小企業や病院」という特定の環境です。職員は多くて数十名、基本昔からのやり方をずっと守って今も商売を続けている方々です。そのような組織では、より経営者の意思が業務に反映されるのではないでしょうか?
実際にプロジェクトが始まる時の予算や、開発や導入のプロジェクトに参加できるスタッフの人選等、プロジェクト実施のための「人・物・金」に大きく影響を及ぼします。
そしてここからが本番なのですが、実際にプロジェクトが始まった後に、小さな組織では特に経営者の力量が試されるのではないかと感じています。
どういうことかと言うと…
具体的には以下の3つではないかと考えています。
1.経営者のリーダーシップとチームの動機付け
2.経営者と従業員のコミュニケーション
3.経営者のIT技術への理解と適応
それぞれの項目について少し説明させてください。
1.経営者のリーダーシップとチームの動機付け
プロジェクトをスタートさせるとき、プロジェクトが進行している時、実際にはIT化された業務のユーザーとなる職員・社員の皆様にお話を伺う、あるいはプロトタイプを使っていただきフィードバックを頂くというプロセスがあります。
これらの職員の方は通常自分の業務があり、さらに一時的にこれらの「追加の仕事」をしないといけなくなるわけです。それでこのような事に参加することに消極的になり、ネガティブな発言を繰り返すようになる方もいらっしゃいます。
そのような場合、SEからすると頼るのは経営者の方になることが多いのです。
このような難しい場面で、部下のモチベーションを上げてくれる経営者の存在はとても重要です。
2.経営者と従業員のコミュニケーション
1と被りますが、「業務効率化」について、従業員とのコミュニケーションの重要性を認識し、いつでも開かれたコミュニケーションが、彼らの不安や誤解を減らし、プロジェクトの成功を支えることとなります。
3.経営者の技術への理解と適応
これはSE(IT技術を有する人間)の側からの働き掛けも重要だと思いますが、経営者の方にも今取り組んでいるIT化について、理解を深めてもらい現場への適用する能力を高めてもらいたいと思います。
そうすることで、経営者が「より良い会社運営実現の手段」としてITをポジティブなものとして捉え現行のプロジェクトでもあるいはプロジェクト終了後でも、問題を解決する手段の一つとしてITが加わることとなります。
重要な事は、これらの事がうまく回るためには最終的には「経営者の意思」があってこそ実現されるのだと思います。