地方の中小企業、医療機関を支援するためにSEが気をつけるべき事
今回から私がどのような方法で、企業あるいは病院の業務効率化を図るかについてお話します。今回は顧客から依頼を受けた後の活動の流れです。
まず最初に、なぜそもそも地方中小企業が対象なのか、についてですが、私のHPでご紹介した通り、日本全国やはり圧倒的に中小企業の数が多いわけで、これらの会社がITを使ってそれぞれの経営者の皆様が、「自分の会社が本当に取り組むべき事」に取り組める状況を作り出したいというのが私の願いです。
地方ということもあり、このような企業はIT専門要員を雇うことができないケースがほとんどで、第一「IT化の必要性」すら感じてない経営者も数多くいます。もちろん地方には「ITスペシャリスト」と呼べる人の人数も少ないのです。
そして大企業だと、「私がやらなくてもとっくにそのような担当者が存在する」し、第一自分一人では組織が大きすぎて対応できないという状況が予想されます。
また、私には「積善会」や「谷病院」でIT化を実際に推進した経験もあります。。
このような理由で、私が想定する「お客様」は、大体売上3億円、従業員50名程度の地方中小企業や、ベッド100床以下の病院までと考えています。もちろんこれより小規模の場合もOKです。
ここからが本題です。私が実際にどのように企業・病院をIT化で業務効率化を図るかの手順をご紹介します。(通常のIT化アプローチと変わらないとは思いますが…)
まずは対象となる企業・病院の経営者の方は、日頃何かしら業務についての不安、不満、イライラ感があり、「XXXXを○○○○したい」という気持ちを抱えています。
私は、そこでその経営者の方に少し具体的で突っ込んだ質問をします。そのやり取りの中で、その彼や彼女が抱える問題意識やその解決策に対する意思、気持ち、知識等を確認させていただきます。
次に、社内で私との窓口を作っていただくようお願いします。
その方は、会社・病院を代表していただく方で、「社内コーディネーター」ともいえるべき存在となっていただきます。
そして次に行うのは、システム化した時のユーザーとなる職員の方々への聞き取りです。
これは、その窓口の方から間接的に聴く場合もあるし、可能であれば私自身が直接その方々に聞き取りをさせてもらいます。
内容は、主に「現行業務への問題意識や、業務がIT化された際の不安」についてお話を伺います。
その後、これらの聞き取りの結果を元に、私自身の考えと経営者の方の考えをすり合わせ、実際にIT化の目的について合意します。
大切な事は、IT化というのはあくまでも手段であり、目的ではないという事です。
残念ながら東京で働いていた頃、「業務効率化のためにシステム化したが業務効率は落ちた」という現場を何度か見聞きしました。
それでも大きな会社のごく一部の組織であれば、会社全体から見た時それほどのダメージにはなりませんが、中小企業・病院であれば致命的なダメージになる恐れがあります。
まあ、それ以前に直ぐに使われなくなり、時間とお金を浪費しただけで、中小企業にとっては大きなダメージとなります。
そこまで決まったら、その目標を達成するために「現行業務をIT化する」ためのシナリオを考えることとなります。