古い住宅は建て替える?リフォームする?メリットデメリット
地震で倒壊する家のほとんどは古い木造住宅なのですが、瓦屋根のケースが多いようです。地震による倒壊の危険性を避けるためにも、家を建ててから10年以上経過している場合や耐震補強を考えられている方は、葺き替えリフォームの検討をおすすめします。
瓦屋根が地震に弱いと言われる理由
古い住宅の屋根は瓦屋根のことが多いのですが、一般的な広さの30坪の木造住宅で使用する瓦屋根は約6トンあるといわれています。
軽自動車7~8台分に相当する重量が、家の上部に乗っていることになるのです。地震の際に屋根が重いと重心位置が高くなるので不安定になり、さらに遠心力がかかるので重さの数倍以上の力が加わって揺れも大きくなるのです。
つまり、屋根が軽くなれば重心が下がるので耐震性が高まるのです。
屋根の重さ以外に耐震性に影響を与える要素とは
屋根の重さによって耐震性は変わりますが、屋根の重さだけが原因で倒壊するわけではないことがわかっています。建物の構造や地盤の弱い土地に建てていることも問題だったのです。
壁の量が少なかったり、梁が細かったり、基礎が脆弱であったり、壁の位置やバランスに偏りがあるなど、建物の構造や地盤が脆弱であれば、いくら屋根が軽くても倒壊の危険性があります。
屋根重量に対して、耐震適正のある壁の量や柱・梁の太さ、強固な基礎が必要ですから、屋根も含めた建物全体が強固に一体化しているかどうかが耐震性に大きな影響を与えます。
軽い金属屋根にリフォームするという手段もある
最近は軽くて耐震性に優れた屋根材が普及してきました。
一般的な住宅で用いられる屋根材で一番軽いのは金属屋根です。瓦屋根より約1/10とかなり軽量になり、地震の際に落下する危険性もなく、強風で飛ばされることもありません。
一方、金属屋根は暑かったり、雨音がうるさかったりするのではないか、安っぽくなるのではないかと考えられる方もいらっしゃいました。
しかし、近年は遮熱塗料を塗布したものや消音性に優れたものも開発されています。デザイン性も高まり、モダンな住宅にもよく使われています。ほとんどの製品がガルバリウム鋼板から作られているのでサビに強くメンテナンス性も高いです。
屋根の耐震工事をお考えなら、このような金属屋根に葺き替えリフォームという方法もあります。