古い住宅は建て替える?リフォームする?メリットデメリット
(概要)
大きな地震が起こるたびに、耐震補強工事について気になる人は多いのではないでしょうか。
最近では、2016年4月に発生した熊本地震で多くの木造住宅が倒壊し、耐震基準を満たした住宅も倒壊被害を受けていたからです。耐震補強工事をする前に、チェックするべき住宅の耐震性の7つのポイントをご紹介します。
建物の地盤や形状によって耐震性は変わる
まず1つ目のポイントは地盤です。
地盤の強さによって地震の際に建物の揺れ方が左右されます。
海や川などの近くや山の斜面の造成地、埋め立て地などは地盤が弱いので地震に弱い傾向があります。
地盤を調べるには、ボーリング調査を行うと詳しくわかります。
2つ目のポイントは土地や建物の形状です。
一般的に正方形や長方形などのシンプルな形の建物は地震に強く、コの字型やL字型などの複雑な形の建物は、地震のエネルギーが1カ所に集まりやすく、歪みやねじれが起こり、被害に遭いやすい傾向があります。
建築時期によって大規模な揺れに耐えられない可能性も
1981年と2000年に建築基準法の耐震基準が、大幅に変更されました。
1981年6月の法改正以降の耐震基準を新耐震基準と呼んでいます。阪神・淡路大震災では、新耐震基準で建てられた建物の倒壊はなかったと言われています。
また、2000年の改正では新築時における地盤調査が義務づけられ、壁の配置のバランスや柱や筋交いに使用する金物の種類が明確化され、より耐震基準が強化されました。
つまり、3つ目のポイントは1981年6月以前の旧耐震基準で建てられた建物かどうかということです。旧耐震基準の建物は、耐震性が弱い可能性が高いからです。
建物の重量や壁、床、接合部分によって耐震性が変わるポイント
4つ目のポイントは建物の重量です。
地震エネルギーは建物の重量に比例して大きく作用します。ですから、建物の重量が軽いほど被害が少なくてすむのです。建物の重量を左右するのは、外壁仕上げ材と屋根材になるので、いかに軽いものを選ぶかが耐震性に重要になってきます。
5つ目のポイントは壁です。
壁の厚さ、耐震用金具や筋交い、構造合板などが壁に設置されているかどうかに左右されます。
6つ目のポイントは床の強さです。地震の揺れが起こった際、床に腐食があるなどで十分な堅さがないと変形してダメージが広がり、壊れてしまうことがあるからです。
最後の7つ目のポイントは木材同士の接合部分です。
木造の場合、木材同士の接合部である柱や筋交いが揺れによって外れたり、引き抜かれたりしないように緊結する補強金具を付けているかどうかで耐震性が変わります。