Mybestpro Members

吉澤光宏プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

石塔(墓石)に刻む文字について

吉澤光宏

吉澤光宏

テーマ:お墓を建てる時に


和型の石塔の正面に刻む文字が書きあがってきました。

文字については人が書いたものとコンピューター出力のものがあってどちらを選ぶのか、あるいは併用なのかなど石材店によってまちまちだと思います。

どちらが良いという話ではありません。それぞれ長所があるということは理解しています。そして刻む文字によってどちらが向いているかということもあると思います。

ちなみに弊社では人が書いた文字を使っています。それぞれに微妙な差異があり、そこがいいと思っています。あくまでも個人的な感覚ですが。

一般的な話として書いていますが、和型の石塔の場合には楷書体で刻まれることが多いです。比較的『主張』しない文字が万人受けするような気がしています。ただし、このあたりは個人の好みによっても左右しますので一概には言い切れません。

逆に洋型の石塔では、『主張』する文字でも違和感を覚えることは少ないような気がします。むしろ全体の雰囲気に合うととても映えますよね。楷書にこだわる必要もないと思います。

彫刻文字を自分で書きたい方へ

ごくたまにですが、書の心得があるお施主様の場合、正面文字を自分で書くという方もいらっしゃいます。その場合の注意点としては、石に刻む場合に残る部分(シマと呼んでいる)を少し大きめに書いてほしいということです。シマがあまりに小さいと、残らずに吹き飛んでしまう可能性が出てきます。

また、かすれの部分についても表現が難しいところ。書と彫刻された文字が違うといったことにつながりかねないので、このあたりも注意が必要になると思います。

そうした意味で、オリジナルの文字をまったくそのまま表現できるということでなく、微調整をするということを前提に考えていただく必要が出てきます。文字そのものだけでなく、並びや間隔についても修正が必要と判断する場合には手を入れることもあります。

石材店と入念な摺り合わせが必要になってくると思われます。

ご理解いただきたいこと

それと最後に。いくら気に入ったとしても他家のお墓に刻んである文字、特に『主張』する文字についてはそのまま頂戴するのは難しいと思います。商標登録してある文字についても同じです。ご理解ください。

また、よろしくお願いします。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

吉澤光宏
専門家

吉澤光宏(石職人)

有限会社吉澤石材店

川崎市登戸駅近くで約220年続く老舗石材店の8代目店主。お客さまの想いをじっくり聞いたうえで、プロとしての意見、そして伝統の良さを説明して、納得できるお墓を作る。ブログやフェイスブックでも情報を発信。

吉澤光宏プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

真面目な仕事で価値あるお墓を作る登戸の老舗石材店店主

吉澤光宏プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼