【事例公開】なぜ、私たちは「売れない土地」の未来を具体的に描き出せるのか?~土地家屋調査士ならではの視点~
土地家屋調査士の関太郎です。
4月21日に、所有者不明土地の問題を解消するための関連法が
参院本会議で可決、成立しました。
所有者不明土地は、九州の面積をも上回るという驚愕の事実。
原因は、相続登記の未了が3分の2を占めるとのこと。
社会問題となっている所有者不明土地問題ですが、
私たち土地家屋調査士は、所有者不明問題の最前線にいます。
土地の測量を実施するときに、
隣接する土地所有者と境界の確認が必要です。
隣接する土地所有者は、登記簿に住所と氏名が登記されているので
それをもとに、連絡を取ります。
隣接地が住宅なら、最終的には連絡先が分かります。
しかし隣接地が、経済的価値のない山林などの場合に
相続登記がなされず、長年にわたって
放置されていたりするケースが多いのです。
測量の目的の大半は、売買です。
測量が出来なければ、土地を売ることが極めて困難なります。
測量を実施して境界が確定した測量図を交付できない土地は、
流通性のない土地として、住宅ローンの設定などが出来ません。
従って、
隣地の所有者が不明で測量できない・・・
そんな時は、私たちに緊張感が走ります。
今回も、隣地が所有者不明土地でした。
隣地が山林なのですが、
氏名のみが登記されていて住所の登記がされていない。
数十年前まで地権者らしき人が現地にきていたが、
今は全く分からないというものです。
住所の記載がないので、
戸籍などをもとに調査することが出来ません。
近所、寺、地域の地主さんへのヒアリングを実施しました。
→手掛かりなし。
そこで法務局で、旧登記簿謄本や旧土地台帳を閲覧して
周辺土地の所有者を片っ端から閲覧して
同じ名字の住民の所在をピックアップしました。
GW明けから
これらピックアップした情報をもとに、
図書館で、昭和30年代の住宅地図を閲覧して
再度現地聞き込みといった感じです。
道のりは遠いですが、根気よく頑張りたいと思います。



