離婚のジレンマ
「どうにかうまくいくために、わかり合えるために
たくさんの時間を費やしてきたし努力もしてきたけれど、
妻は私の全てを憎んでいて許すことができず
私を責め続け離婚したいと言いながらも
それなのに別れようともしないのです…。」
それはある夫の言葉でした。
妻は夫の過去の行動や些細な言葉や価値観を
どうしてもどうしても許せずに
恨みや責める気持ちがいっぱいになっていました。
それでも別れない妻の心理はとても複雑でもあります。
その妻の気持ちは別れることで失うものや
直面する可能性のある孤独や不安を恐れているのかもしれません。
過去の経験やトラウマが影響している場合もたくさんあると思います。
恨みや責める気持ちは過去の出来事や
夫の行動に対する深い深い感情であり
夫がたとえ亡くなってしまっても、
それを乗り越えることは簡単ではないでしょう。
別れることがその気持ちを解消する唯一の方法とは限らないため
今の状態に留まってしまうのかもしれません。
それは、ゆがんだ形の依存になってしまっていますが
本当は夫からの承認や愛情を求めているのかもしれません。
ただ、夫にも限界がある場合があります。
男性には多くの場合、
家族という1つの城を守るため
忍耐力がある場合もありますが、それが一度切れてしまうと
妻に愛情を与えることが難しくなってしまうこともあると思います。
許すことは他者に対する怒りや恨み、過ちに対して
心の中で和解する事を指すことと思います。
そして許すとはその傷を忘れることではなく
それは負の感情を手放して心の平穏を取り戻す作業で
自己の成長へのプロレスなのかもしれません。
夫婦の問題はそれぞれの異なった性の上に成り立つなかで
ことごとく違う感覚もあり、全てわかり合えるはずもないことでもありますが、
「許す」ことでいろいろなものを手放して
軽くなって次へと歩んでいけたら、
そこには考えもしなかった満ち足りた安らぎと
優しさがあるのだと信じたいと思わずにはいられない時でした