再会の日
親からの子どもへの平等な愛情とは?
一体どういったことなのかなと考えさせられることが
最近数多くありました。
親として[きょうだい]へのサポートは
それぞれの個性や性格の違いを意識して
それぞれに合ったアプローチや愛情の与え方をすることが
本当に大切な事なのだなと思いました。
私は[きょうだい]に対して
平等に同じ量や形の愛情を注ぐだけではなく
その時その時の状況で一番愛情を必要としている方に
与えることがあってもいいのだと思っています。
例えば、繊細でいろいろな事に敏感で
学校内でも内気な方であまり自己主張はせず
お友達の言葉や行動に従順な子には
いつもお友達に気を遣っているので
お母さん、お父さんの優しい声がけがたくさん必要ですし、
この子の自己肯定感を高める意味でも
焦らず手出しをしすぎずに見守っていく中で
小さな事にもほめて自信をつけてあげることなど
特別に集中してもいいと思います。
また、反対に社交的ではっきりと自己主張もし
周りの子の事を気にかけることよりマイペースな性格な子には
多少放任にしていても大丈夫である場合が多くあるように思います。
こういった性格が違う[きょうだい]に同じ愛情を与えてしまうと
繊細で内気な子の方が自分への愛情が少ないと感じてしまう場合もよくあります。
また、子どもが二人以上いる家庭では
ついつい下の子には甘く
上の子には厳しくなってしまうケースも多いものです。
しかし、親として「平等」を意識しすぎてしまうと
上の子にとっては受け入れることがつらい
不平等である場合もあるように思います。
何故なら上の子は生れてきた時は一人っ子で
親の愛を独占できていて
それが当たり前として生活してきているからともいえます。
また、親の気持ちとしても
自分の気持ちを理解してくれて
自分の言うことをよく聞いてくれる素直な子
いい子に愛情を多く与えてしまっていたり
親に対して心を和ませてくれる方などと
親自身の都合で愛の与え方を区別してしまっていることもあるようです。
Aさんの場合は(Aさんは特定な人物ではありません)
女の子、男の子という順番の[きょうだい]2人なのですが、
上の女の子はしっかりしていて頭も良く
学校でもリーダーシップ的存在です。
下の男の子は少しやんちゃで甘えん坊で
嫌な事は絶対に嫌でお母さんをよく困らせています。
下の男の子は上の女の子によくちょっかいを出し
わざと女の子のおもちゃで遊んだり、
女の子の泣いた顔の真似をしたりして
最後には上の女の子にものすごく怒られ
ぶち合いの大ゲンカになります。
そんな時お母さんは「うるさーい!やめなさい!!」と
2人に対して注意します。
お母さんはいつも平等に
2人に対してケンカをやめるように言い続けていました。
何度注意してもケンカはほぼ毎日繰り返され、
ある日、下の男の子が上の女の子の顔にケガをさせてしまいました。
その後の状況がどうであったか、どう注意したか
お母さんもあまり覚えてはいない様なのですが、
そのことがあってから2人の[きょうだいは]仲が悪いままで
そのまま下の男の子が大学生になった時、
下の男の子がお母さんに言いました。
「僕はあの女を許さない」
こういった[きょうだい]の不仲が大人になっても引き続いている場合は
[きょうだい]間で相手に対してコンプレックスや憎しみ怒りなどが芽生えていないかが
今後の関わりの中でも大切になっていきます。
そういった[きょうだい]の問題を抱えたままの場合
大人になっても人間関係や社会に対して不信感を抱きやすくなり
敵視するようになります。
また、異性に対しても独占的、支配的になりやすく
問題が大きくなりうる可能性があります。
[きょうだい]のケンカは当たり前ではありますが
大人になってからも不仲が強い場合においては
時に親の問題としても受け止めていく時期で
親としての接し方に不安や心配や見直しが必要であると思われる場合は
気にかけて様子を見ていただき専門家に相談されることも
必要であるのかもしれません。