いつも側にいる
初診で医者に行くと、「いつも何の薬を飲まれていますか?」と問われ
(お薬手帳があればよいのですが) なかなか名前が出てこないことがあります。
薬の名前って結構難しいものが多いですよね。
しかも今ではジェネリックが多く出ているので、なお複雑になっている気がします。
薬の名前が難しい理由の一つは
処方する際に同じような発音で違う薬と間違わないように
他にはない固有の名称を考える必要があるからと聞いたことがあります。
同時に、薬効や、その薬に込めた願いなども表したいとなると
結構ネーミングは大変なようです。
例えば抗コロナ治療薬「モルヌピラビル」は
北欧神話に登場する雷神が持つハンマー
「ミョルニル」にちなんで名づけられたとのこと。
またイーライリリー社の新しい糖尿病薬で
肥満の治療にも効くといわれる「マンジャロ」は
一説によると肥満を克服するのは山の「キリマンジャロ」に登るほど
難しいゴールだとの意味が込められているそうです (本当かな?)。
願いを込めて名前を付ける…
私たちにとっては子供の名前を付ける時がその機会ではないでしょうか。
日本では漢字の組み合わせも考慮するとかなり選択肢が広がり、
親としてはまさに思案のしどころとなります。
漢字の意味というよりは音感で決める人もいるでしょうし
特に最近では当て字を使う方も多いと思います。
いずれにしても子供の将来を想いながら考えた末に
たった一つの名前を与える極めて重要な「儀式」といって良いと思います。
TVやニュース、又カウンセリングのカルテで
人の名前を見る時、 親御さんがどんな気持ちで名付けたのかなと
思いをはせることがよくあります。
その子どもの将来や人生を思い描きながら
親の願いや祈りを込めて一生懸命考えて付けた大切な「名前」
あれから何年か何十年かが過ぎ
その子どもは親をどう感じ、どう思って今過ごしているのでしょうか…
そしてまた親はあの頃のあの気持ちを忘れてしまってはいないでしょうか…
私はカウンセリングの中で親と子の様々な確執や、
すれ違いの状態を知る度に
親子になった最初のあの頃の事を想像したりします。
そしてまた私自身も子どもたちに名付けたあの頃の時代を思い返したりします。
私の子どもたちが今の私をどう思っているのかも気になりますが
私が母になったあの頃の初心を忘れないように
(年齢を重ねる度に記憶に対しては不安にもなりますが)
意識するようにしています。
名前を付けた日の思いを
大切に心の中に刻み続けていきたいと
今日は何故か思った日でもありました。