思春期の子どもの起立性調節障害について
生後半年のチワワのルビーが
去勢とデベソ、鼠径ヘルニア2箇所の手術を受けました。
病院に迎えにいくと、大きなエリザベスカラーをつけてぐったりとした様子。
因みにこのエリザベスカラーの由来は
16世紀に王侯貴族や富裕層の間で流行した襞襟で
元々上着の襟元と肌が触れる部分を清潔に保つための
実用的な機能を持っていたものが
次第に装飾として大きさや仕上げの精巧さを競うようになったとか。
特に有名なのはエリザベス1世の「アルマダの肖像画」で見られるもので
この巨大で絢爛豪華な襟を付けた姿で目の前で威圧されたら
配下たちは震え上がってしまったことでしょう。
今はむしろ犬やネコの保護器具の名前として知られていますが
中世の威厳の象徴をペット(しかも小さなチワワが)
身につけているギャップが滑稽にも映ります。
しかし当人(犬?)は変な障害物をつけられて元気なく
時々キャンキャンと甲高い鳴き声をあげて痛がる様子。
手術から5日経ってもおどおどした感じで
相変わらずキャンキャン痛がっているようなので
心配になり病院に連れて行ったのですが
病院に着いて見覚えのある看護師さんに
「あら大きくなったわねー」と声をかけけられるや
お腹を見せて喜んでいるではありませんか。
先生に傷を見せると
「きれいになってますよー、心配いりません 」とあっさり。
痛がってキャンキャン鳴くと訴えると
「それは性格ですね」とのお言葉。
性格って??
犬は飼い主に似ると言われますが
思わず恥ずかしくなってしまいました。
それから3日ほど経つと、見違えるように元気になり
エリザベスカラーをあちこちぶつけながらも活発に動き
カラーのマジックテープの部分にフェルトのボールがくっついても気にせず
そのまま寝てしまうほどになりました。
人間なら、
「ちょっとこの首のカラー邪魔だしカッコ悪いんで取ってくれませんか」と
ぐちのひとつも言いたくなるでしょうが
犬は文句も言わず、与えられた環境で
精一杯生きているのだなとあらためて感心しました。
前に歌人の小島ゆかりさんが
飼われていた猫について書いていたことを思い出しました。
「過去を振り返らず未来を恐れず(たぶん)、
なにひとつ所有せず、舌一枚で体の隅々まできれいに洗い、
日の当たる場所や風の通り道をよく知っていて、
おおかたは気持ちよく寝て暮らす。
猫に比べると、人間はつくづくできそこないだ」
大きなエリザベスカラーを背負いながら
一生懸命走っている小さな犬の姿を見ながら
愛おしさがさらに増しました。