変わっていく「私」と変えられない「私」
風薫る5月がやってきました。
大陸欧州の四季は、長い冬と夏に短い春と秋がはさまれ、
日の長い夏と暗く寒い冬の対照的な
二つの季節に大まかに分かれる印象がありますが、
日本は四季どころか
もっと目まぐるしく季節が変わると個人的には感じています。
12月から2月までは冬、3月に春がきて(花粉も!)
4月は寒暖差が大きく入り交じり、5月には一気に初夏っぽくなると思いきや、
6月から7月にかけては、じめっとした梅雨空に覆われ、明けて8月は猛暑
その後9月は台風の時期、10月は秋の長雨、11月にやっと秋らしい秋を迎えて、
12月からはまた冬に・・・という風に。
5月は程よく暖かくて湿気も少なく
外で過ごすには絶好の時期だと思います。
5月といえば思い浮かぶ曲に、
井上陽水さんの「5月の別れ」が私にはあります。
「5月の別れ」は
若い二人が別れゆく様子をうたったように伺えますが、
別離の歌ではあるものの、
「風の言葉」「花束が目の前で咲き誇り」、
「青空」、「ほほえみ」、「レタスの芽がめばえて」、
「木々の若葉は強がりだから」
といった言葉がちりばめられ、
「眠りから醒めながら夢をひとつだけ」
「愛された思い出をひとつだけ」
という美しい詩のような言葉が重なり
曲調も併せて決して暗い歌には聞こえません。
5月の季節の中で
おそらくお互いを思いやりながら別々の道を歩いていく、
といった爽やかささえ感じます。
5月は木々も初夏を謳歌するように新緑がまぶしく、
新入生や新社会人も街に繰り出し、
なんだか何もかもが若々しく
これからの希望を感じさせわくわくします。
ただ、青春は
若い人達だけのものではありません。
年を重ねていく中で
愛の形は
古く美しい変わらない街並みや
自然や奥ゆかしさの言葉の中にも
生き続けていくものだと思います。
若い人も、年を重ねた人も、そして私も
しなやかに、穏やかにこの時期を過ごしたいと思います。