答えを今は出さないで
桜が満開となりました。
「枯れ木に花を咲かせましょう」は
花咲か爺さんの有名なセリフですが、
葉っぱもない枯れ木のような桜の木々に
突然ピンクの花が一斉に咲き乱れる様を見て、
作者はこの御伽話の着想を得たのではないかと
私は勝手に想像しています。
私の好きなハナミズキもそうですが、
通常目にする木々は
まず新芽が出て
葉が茂った後に花が咲くわけですが、
なぜ桜は葉が出る前に花が咲くのでしょうか。
調べてみると、
どうやら秋までに花を咲かせるエネルギーを蓄えて休眠して、
この時期を選んで咲くようです。
まだ他の花は少なく競争相手が少ない。
葉っぱに隠されないので花が目立つし、
葉っぱが邪魔にならないため受粉に必要な鳥が訪れやすいようです。
枯れ木に花、は
衰えたものが再び栄えるとか
奇跡を起こすといった使われ方もしますが、
桜にはそういった不思議な
人を魅了する魂のような力が
秘められているのだと思います。
儚いイメージもある桜ですが
美しく咲く期間は短いけれど
花を咲かせるために
長い間エネルギーを溜めている事を知り
凛とした品のある力強さは、
その忍耐力からくるのだと心から感動しました。
人はどうしても努力の期間よりも
成功や幸せなど華やかな時が
長く続くことを夢見がちです。
「桜のような生き方」を
改めて考えながら、今年は桜を観たいと思います。