道を聞かれる人(スタッフ)
先日、椎名先生が
大切に大切にしていた車を
手放しました。
昔、先生が
「私は他のことには
全然お金をかけなくてもいいの。
この車に乗りたくて
この車に乗ることだけが
自分へのご褒美なの。」
と話されていたことが思い出されました。
仕事の日はとても忙しくされている先生が、
休みの日になるとその車に乗っていると
よくお話を聞いたものです。
先生はその車を
本当に大切にしていて、
もちろんぶつけたことなどなく、
10年以上もの間乗っていたとは
思えないほど綺麗にしていて、
愛情を持って乗っていたことが
伝わってきました。
そんなに大切にしていたあの車を
手放すと聞いて、
とても驚いたのですが、
その車は
娘さんのお婿さんに譲るのだそうです。
娘さん夫婦が中古車を探していたタイミングで、
先生の車はまだあと何年かは乗れる状態で、
娘さん夫婦がこの車に乗ってくれるなら、と
譲ったんだそうです。
その代わりに、その車に乗って
実家に顔を出しに来てね、と。
話を聞いていて、
なんだか私が胸いっぱいになってしまいました。
先生がその車を大事にしていたことは
よく知っていたので、
淋しい気持ちもよくわかりましたし、
けれどそれを娘さん夫婦が乗ってくれるなら
少し淋しくないという気持ちもよくわかります。
先生の
車への愛情、
娘さんへの愛情、
娘さんのお婿さんへの愛情、
たくさんの愛情に
こちらまで心があたたまります。
誰かにとっては、
“たかが車”かもしれません。
車を手放したというだけの話かもしれません。
けれど、椎名先生にとっては
ただの車ではなく、
大事に大事にしてきた車で、
まるで嫁に出すような
そんな気持ちなのだと思います。
嫁入り前に洗車もして
中も綺麗にピカピカにして、
ちょっとしんみりされていました。
人を大事にするだけではなく、
長年大事にしてきたものを
丁寧に細やかに大事にする
椎名先生の愛情深さを
改めて感じた日となりました。
文:スタッフsachi
代表:椎名 あつ子