秋の気配(スタッフ)
時々、こんな言葉を聞くと
悲しくなることがあります。
「そんな些細なことで」
という言葉です。
誰かにとって些細なことであっても、
他の誰かにとってはとても大きなことも
たくさんあります。
もしかしたら、本人だって
「こんな些細なことで私はなぜ傷つくのか」と
悩んでいるかもしれません。
そんな時に、周囲の人の
「そんな些細なことで」という言葉で
本人をさらに深く深く傷つけることがあるのです。
カウンセラーは、
そういう時にどう思うかというと、
まず最初は
“この人はこういうことでこのくらい傷つく人なのだ”
と思うのです。
そこに小さいも大きいも、浅いも深いもありません。
その人自身がどのように受け取る人なのか、
その人の世界観を知っていくだけなのです。
それを積み重ねていくと、
“この人にとってこれはつらいだろうな”
“これだけ傷ついていることが
他の人には伝わりにくいかもしれないな”
という想像や共感ができるようになります。
また、積み重ねていくと
“いつものこの人なら気にしないようなことなのに、
今回気にしているのはなぜだろう?”
“調子が悪いのだろうか?”
“話していないことがあるのだろうか?”
と気づくことができます。
裏を返してみると、
「そんな些細なことで」と言う言葉の裏には、
相手の価値観や気持ちに寄り添わず、
知らず知らずのうちに
決めつけや思い込みや批判の気持ちが
入ってしまっているのです。
だからこそ、その言葉を言われると
さらに傷つくのだと思います。
みなさんは、何気なく「そんな些細なことで」
と言ってしまっていませんか?
もし言ってしまいそうになったら、
ちょっと立ち止まって考えてみてください。
自分にとって大事なことを
「そんな些細なこと」と言われる気持ちを。
文:スタッフsachi
代表:椎名 あつ子