違和感を大事にする(スタッフ)
最近感じたのですが、
カウンセリングに来られる方や
不登校の子どもなどは
失敗を過剰に恐れている人が
多いように思います。
例えば、
失敗を恐れるあまり、
ペンで文字を書く時には
必ず鉛筆で下書きをするとか、
失敗してはいけないと思って
手が震えてしまうとか、
オセロで負けたら盤をひっくり返してしまうとか、
負けたゲームはもう二度とやらないとか、
遅刻して教室に入るのは嫌だから休むとか、
間違えないように何度も同僚に確認して
嫌がられるだとか・・・
傍から見ていると、
必要以上に失敗を恐れて
慎重になりすぎているように見えるかもしれません。
けれど、本人にとっては
生死に関わるくらいに大事なことであったり、
失敗した後に気持ちをうまく切り替えられないために、
失敗を過剰に避ける
という場合もあります。
誰もが一度くらいは失敗するような
“あるある”だと言えるような失敗すら
当たり前のことと思えずに
絶望的な気持ちになる人も
実はいるのです。
それはおそらく、
“失敗”の重さの“感じ方”が
まるで違うということなのかもしれません。
こういったことは子どもにも
よく見られることなのですが、
子どものうちに、
周囲がどのような関わりをするかで
その後が変ってくるように思います。
もし、みなさんの周りで
子どもが何か失敗をして
パニックになったり
過剰に泣いていたり
落ち込んでいたら、
「大丈夫、これはみんなよくやる失敗なんだよ。
私も子どもの頃、うまくできなくてね。
たいしたことではないよ。
もう一回一緒にやってみようよ。」
と声をかけてみてください。
その時子どもは
とても不安であったり
絶望的な気持ちになっていたり
困っていたりします。
そんな時に安心できるように声をかけることが
まずは大切です。
そして実際に一緒にやってみてください。
(難しいものの場合は、
少し簡単なものにしたり、手伝ってみたり、
大きくなってからチャレンジしようと声をかけたり、
してください。)
できるまで(それが上手でなくてもいいのです)
一緒にチャレンジして、
できたら一緒に喜んで
「よくあきらめずにがんばったね!」と
チャレンジしたことを褒めてみてください。
子どもは達成感を持つことができ、
それを一緒に感じてくれる人がいることや、
それを言葉にしてくれる人がいることで、
より強い達成感になります。
時には、手伝ってあげることも必要かもしれません。
けれど、それは一部だけ、
ヒントをあげるような気持ちで
「ここだけはちょっと難しいから
手伝おうか?」と声をかけて
任せてくれたら、手伝ってみてください。
「自分でやる!」と言う場合には、
見守ったり、場合によってはことばでお手伝いをして
本人が「できた!」と思えるように
手を出し過ぎないことも大切です。
一回やってみせて、本人にもう一度やってもらうのも
いいですね。
たいていのことは、
取返しのつくことです。
失敗なんて誰でもすることで
たいしたことではありません。
けれど、しても良い失敗と
してはいけない失敗があると思います。
それを見分ける力を付けることも
必要です。
そのためにも、失敗を過剰に恐れずに、
子どものうちにたくさん失敗をして
練習をして学んでいくことが
大事だと思います。
そんなことをちょっと心に置いて
自分の失敗も
周囲の人の失敗も
あたたかく見てみませんか。
そうしているうちに、
失敗を過剰に恐れなくなるかもしれません。
文:スタッフsachi
代表:椎名 あつ子