熟年離婚
先日、NHKのクローズアップ現代+の
取材協力を致しました。
その際にお話した内容をまとめてみました。
当センターに相談に来る人は、
お互いの時間的・精神的なゆとりが無い状況から
会話がほとんどなく、
SNSの影響もあると思われますが、
会話というよりも
メールやLINEなどの状況・情報の伝達だけ
になりつつあるように思えます。
まず会話が、会話というよりも、
相手への不満・批判・相手の責任として
非難することばだけが発せられている
状況になっているように感じます。
今回は、夫婦のすれ違いについて、
まずお伝え致します。
<共稼ぎの夫婦の場合>
妻:私ばかり大変で、あなたは何もしていないじゃない!
→夫:何もしていないというけど、してるだろ
妻:いつも「疲れている」と言って寝ているばかりじゃない!
→夫:仕事で疲れているのに、疲れて寝てちゃいけないのかよ
妻:いつも言われてからでないと動かないくせに
→夫:やって欲しいことを教えてくれればいいじゃないか
妻:これで片づけたうちに入るわけ?
→夫:オレなりには片づけたつもりだよ
妻:もっと早く帰れるんじゃないの?
→夫:つきあいってものがあるんだよ
妻からすると、
言われなくても、きちんとやってほしい、
もっと私の大変さをわかってほしい、
認めてほしい、理解してほしい
が根底にありますが、
夫は、
細かくぐちぐち言われると聞きたくなくなる、
何もかもやりたくなくなる傾向があり、
シャットアウトしてしまい、
会話がなくなっていきます。
そうすると、
妻からすると話を聴いてくれない、
逃げ出す、といった感覚でしか
夫を見なくなります。
<妻が専業主婦や夫の扶養内で仕事をしている場合>
夫の妻を見下した言い方、バカにした言い方、
上から目線で支配的・権威的・横柄な態度からくることば
夫:オレが稼いでいるんだから、おまえは時間があるんだからこれぐらいできるだろ
→妻:稼いでるからえらいわけ?
夫:こんなこともできないのか
→妻:少しぐらい感謝したら?
夫:そんなくだらないことで悩んでいるのか
→妻:あなたにはわからないのよ
夫:おまえが稼げるならオレが家事くらいやってやるよ
→妻:それはモラハラよ
夫の頭の中に、
扶養していてあげているのだからとか、
俺が稼いでいるのだから、
このぐらい家の中にいる人間が
すべきだという気持ちがあるために、
横柄な態度や、上から目線の態度が、
妻には日々溜まって来る不満としてあります。
妻は家事や子育ても
時間に追われてこなしていても、
ほめられることもなければ、
当たり前と思われていて
いつも管理されている気持ちになっているため、
何を言っても無駄なんだとあきらめてしまったり、
またはどうせ私は何もできないと
自己否定的になったりしてしまっています。
<自分の考え・感情を言わなくても
分かっているはずと思いこんでいるケース>
妻:たまには1人の時間ぐらいくれてもいいじゃない
→夫:欲しいなら言えばいいだろ
夫:出かけたいというからこっちは朝早く起きているのに、ぐずぐずするなよ
→妻:だったら手伝ってくれればいいじゃない
夫:うるさいんだよ、わかったと言っているだろ
→妻:わかってないから言っているのよ
自分の考えや、感情を
相手が理解してくれるべきと
思いこんでいるケースが多く、
お互いどうしてわかってくれないのか
と思っていることが多いようです。
お互い、別々の人間で、
また、男と女という異性であり、
男の脳と女の脳の違いもあり、
性格も育った環境も違う中、
理解しきれない感覚を
お互い持ち合わせているものだ
という意識が低い場合、
自分の考えを知らず知らず押し付けてしまったり、
理解してもらえないことを
不満に思ったりしてしまっているようです。
みなさんのご家庭ではいかがですか。
ことばは、ことだまとしてとらえると、
とても大切なものですが、
そのことばに
相手を思いやる
優しさや思いやりがないと、
相手には本当の意味で
伝わってこないものであると
感じています。
ことだまを意識してみたいと思います。