基本を大事にする(スタッフ)
女優の樹木希林さんが亡くなられてから
半年ほどが経ち、
先日、希林さんの夫である内田裕也さんが
亡くなられたそうです。
樹木希林さんと内田裕也さんは、
一般的な「夫婦の形」とは
だいぶ異なる「夫婦の形」でした。
結婚して数年で別居、
内田裕也さんが離婚届けを勝手に出したとして
樹木希林さんが取り消しを申し立てて
離婚が取り消され
結婚生活45年のうち、43年別居だったそうです。
ロックな生き方を貫いた内田裕也さん。
樹木希林さんは、そんな内田裕也さんについて、
破天荒な振る舞いをしているけれど
その心の真ん中はとても純粋で綺麗なのだと言い、
生涯、離れていながらも
「夫婦の形」を貫き通しました。
私たちには、
内田裕也さんが本当にはどのような人なのか、
樹木希林さんの心の内が本当はどうだったのか、
わかりません。
けれど、
激しくぶつかったり
遠く離れたりしながらも
お互いにお互いを必要なことを理解し、
どんなことがあっても
見捨てることなく
最後まで相手のことを想っていたように
感じられました。
それは、世間一般で言う良い夫婦とは
形が違うかもしれませんが、
私は、とても素敵な愛の形であり
こんな夫婦の形もあるのだと思いました。
もちろん、誰にでもできるような
形ではありません。
きっと、あの2人だからこそ
実現できたのだと思います。
樹木希林さんと内田裕也さんは、
いろんなことを経て、
世間からどう見られようとも
2人が分かり合い
尊敬し合い
他の誰にも理解できない
奥の奥のところを認め合うという
本当の意味での理解者になったのかもしれません。
そこへ至るまでに、
2人は長い間、
もがき苦しみ、傷つけ合い、
たくさん間違ったり悩んだり修正したり
迷いながらも、
樹木希林さんは決してゆるがない想いを持って
内田裕也さんをそっと見守ったのでしょう。
印象的だったのは、
樹木希林さんは、決して
内田裕也さんの言うことに盲目的に従ったり
自分を犠牲にして我慢をすることはなく
いつも凛としていて、
けれど必要以上に内田裕也さんを
責め立てることもしていなかったように
見えました。
(本当のところはわかりませんが。)
それは、なかなかできることではありません。
自分を犠牲にしすぎず、相手を責めすぎない。
あなたのしたことの責任はあなたがとること、
私は妻としてあなたに謝ってもらいたい、
内田裕也さんがトラブルを起こすと、
樹木希林さんはそんなことを伝え、
謝られなくても怒るわけではない。
筋を通し、感情的にはならない、
そんな姿に見えました。
そうやって樹木希林さんが
バランスをとりながら
見捨てずにいたからこそ、
内田裕也さんも樹木希林さんの愛を感じ、
2人だけの特別な「夫婦の形」が
できていったのかなと思います。
あの2人は特別だったかもしれませんが、
本当はきっと、
夫婦の数だけ
「夫婦の形」があるのだと思います。
私も長い時間をかけて
自分たちの「夫婦の形」を築いていけるように
なりたいと思いました。
樹木希林さんと
内田裕也さんのご冥福をお祈りするとともに
お2人が、今はなごやかに2人で笑っていることを
願っています。
文:スタッフsachi
代表:椎名 あつ子