価値観の多様化による自由と不自由(スタッフ)
今年も日本人がノーベル賞を受賞しました。
本庶佑・京都大学特別教授が
がんの新薬につながる研究で
医学生理学賞を受賞しました。
そのことをテレビでとりあげている中で、
現在の日本では
基礎研究にあまりお金が割かれず
応用研究にばかりお金が回されている
という話がありました。
がんの話で言うと、
基礎研究というのは
がん細胞の性質やメカニズムなどの研究で、
応用研究というのは
治療法などにあたるそうです。
治療法や薬が開発されれば
それが売れるので
企業が利益を得られるため、
応用研究にお金が集まりやすいそうです。
けれど、本当は基礎研究があってこそ
応用研究が進むのだそうで、
基礎研究にお金が集まらない現状を
心配する声があがっていました。
これを聞いていて思ったのは、
すぐに結果(利益)につながる応用研究に
お金が集まるということは、
結果をすぐに求める人がたくさんいるんだな
ということです。
基礎研究は地味で難しく
なかなか結果の出る事ではなく、
地道にやっていかなくてはなりません。
これは、カウンセリングとも似ているなと
思いました。
「こうすれば良くなる」
「こうすれば解決する」
そんな魔法のようなことは
カウンセリングでは、ありません。
地道で苦しくなかなか先が見えないような
基礎研究のようなところがたくさんあります。
その基礎の部分をしっかりやっておけば、
応用の部分が効いてくるものです。
これは例えば数学や英語など勉強でもそうですね。
応用だけ急に勉強しても、
基礎がなければなかなか身につきませんよね。
研究の世界でも、
勉強でも仕事でも、
カウンセリングでも、
すぐに簡単に結果がでるものではありません。
一見地味に見える部分は、
土台となる部分で、とても大切なところです。
土台がぐちゃぐちゃなところに
何かを積み上げてもすぐに崩れてしまいます。
まずは、土台をどっしりしっかりと
基礎を作っていくことに
時間もお金もエネルギーも
割いてみることが
一見遠回りに見えても、
結果的には近道になるかもしれません。
文:スタッフsachi
代表:椎名 あつ子