伝わるための伝え方(スタッフ)
最近いろいろな人と話す中で
ふと思ったのですが、
多くの人は、
自分のこれまでの
価値観や考え方や行動ではうまくいかなくなった時、
自分を変えよう、あるいは変えなければ、
と思ったりするようです。
けれど、これまでのやり方で上手くいかなかったからと言って
これまでの自分を否定することはないと思います。
間違っていたわけでもありません。
これまでの自分を変えて新しい自分になることが
必要なわけでもありません。
ただ、これまでの自分のやり方とは
別のやり方を新たに身に着けていくことが
必要になるかもしれません。
野球で例えてみると、
これまでストレートしか投げてこなかった
ピッチャーがいたとします。
最初は早いストレートを投げることで
勝っていても
だんだんとそれだけでは通用しなくなります。
それでもストレートで勝負するために
より早く投げるようにするには限界があります。
けれど、カーブやスライダーやフォークなど
変化球を覚えてバリエーションが増えると
より難しい敵にも立ち向かうことができるようになりますね。
数学で考えてみると、
様々な公式を覚えていくにつれ、
いろいろな計算ができるようになっていきますね。
対人関係でも、
Aさんにはこういう伝え方でうまくいっていたのに、
Bさんには同じやり方が通じないことがあります。
「自分はこれが正しいと思う」と
自分のやり方を押し通したり、
「これまではそれでうまくいっていたから」と
同じやり方を変えずにいると、
ぶつかってしまい、
相手を傷つけたり、自分自身も傷ついたり、
してしまいます。
けれど、Bさんの場合はこう伝えるとうまくいく、
Cさんの場合はこうか、DさんはAさんと似ているな、など
同じことを伝えるにしても
さまざまな伝え方のバリエーションがあると
対人関係がスムーズになります。
どの例においても、
それまでのやり方が間違っているわけではありません。
ある意味で正しいのです。
そして、通用しなくなったわけでもありません。
別のやり方も身に着けた方が良い、というだけのことです。
新しい技や公式やコミュニケーションを身につけるように、
新しい価値観や考え方や行動を取り入れて
新たな自分を増やしてみると、
少し生きやすくなると思います。
とはいえ、そう簡単に新たな自分を増やせるものではありません。
カウンセリングの中で、
自分がどういう人間なのか、
これまで自分が身に着けてこなかった
これから身に着けていくとよい
新たな自分はどんな自分なのか、
探って行ってみてはいかがでしょうか。
文:スタッフsachi
代表:椎名 あつ子