夏休み
胸が張り裂けそうになる記事を
新聞で読みました。
目黒区の結愛ちゃんが
亡くなった事件です。
「パパ、ママ
おねがい ゆるして」
のことばは
たくさんの人が読んで
心につきささることばだったと
思っています。
ここ横浜心理ケアセンターには
子育てに悩んで相談に来る人が
たくさんいらっしゃいます。
結愛ちゃんの親のような
虐待をしている人たちでは
ありませんが、
それでも
夫婦問題や会社でのストレス、
経済的な問題などで
イライラして
子どもにあたってしまう
という相談は
数多くあるのは事実です。
勉強を教えていて
飲み込みが悪く
ついつい手が出てしまうケース、
何度注意しても
言うことを聞かなくて
怒鳴って叩いてしまったケース、
学校の先生から忠告をされて
親として自信がなくなり
子どもに対して
「あなたのせいで恥をかいた」と
言ってしまったケース、
「もうママはいなくなるからね」と
脅迫のことばを言ってしまうケース、
子どもにママ(パパ)なんて嫌い
と言われて
「ママ(パパ)もあなたを嫌いよ」
と言ってしまったケース、
数かぞえられない程のケースがあります。
親の中にも
様々な苦しみや悩みや混乱があり、
その中で
小さな子どもを教育して
しつけて、育てていくことは
本当にいつの時代も
大変な事だと思っています。
親も一人の人間なので
解放されたかったり、
自由になりたかったり、
逃げ出したくなったり、
の気持ちがあることは
当たり前だとも思っています。
それでも、
子どもにも安心した生活を
送る権利があります。
脅かされたり、傷つけられたり、
放置されたり、無視されたり、
暴力的な行動をされたりした事は、
長い間、心の中に
大きく刻み込まれてしまい、
ゆがんだ人格を作ってしまうことも
少なくありません。
そういったこと、
すべて頭では理解していても、
ついつい、叩いたり怒鳴ったり
してしまうこともあるのが
子育ての時期です。
子どもは正直、
かわいい時ばかりではありませんし、
「何故こうなんだろう?」と
悩むことの方が多い時も
あると思います。
私は、今の社会が
子どもを教育していく中で
大きなハードルがありすぎる
気がしています。
特に、共稼ぎの夫婦には、
八方ふさがりになるような現実が
山のようにあります。
こういったご両親に必要なことは、
まず身近な人、親、
幼稚園・学校の先生、
心理カウンセラー、病院の先生、
近くの公的な機関の相談の窓口など、
誰でもいいので相談することだと
思っています。
だめな親だと思われはしないかという
評価を気にする前に、
自分のためにも、
子どものためにも、
勇気を持って、
弱音でもイライラでも混乱でも
何でもいいので
打ち明けてみて欲しいのです。
育児雑誌のような
愛あふれる完璧な親は
本当はどこにもいませんし、
誰もが、同じような悩みを持ちながらも、
いい親のふりをしていることの方が
多いのです。
「子育てって楽しい」とか
「子どもって天使」とか
「本当に子どもはかわいい」とか
言っている人たちも
同じような葛藤はあるはずなのです。
表面的な理想の教育だけを信じず、
今起きている問題から
目を背けずに
自分を否定する前に
「助けてほしい」と
誰かに伝えてほしいと
思うのです。
親が、誰かに相談できるように
なることによって、
子どももちゃんと
親に伝えてくれます。
「私も~がどうしてもできないの」
「~だから~してしまうの」と。
できないことを言い合えることが
信頼関係につながっていくのだと
私は思っています。
これは、夫婦間でも
同じであるように
感じています。
最後に
心から結愛ちゃんの
ご冥福をお祈り申し上げます。