本音と建て前のことば
夫婦の修復についてのお問い合わせが
増えてきている中で
今現在の起きている問題で
必ずといっていいほど
たくさんの方々が
「モラハラ(モラルハラスメント)」
という言葉をお使いになります。
・妻に「あなたはモラハラよ」と言われたので
確認のためにもカウンセリングを受けたい。
・モラハラと言われてネットで調べてみたら、
あてはまる事が多いと気づいたので、
そんな自分を変えたい。
・モラハラに疲れたと言って妻が家を出てしまったので、
モラハラについて知りたいし
妻にもう一度、チャンスをもらいたい、
帰ってきてほしい。
・自分が今まで無意識に使っていたことばが
暴力だとは全く知らなかった。
これはモラハラなのか、教えて欲しい。
・モラハラの夫を治してほしい。
治るのであれば、
子どももいるのでやり直したい。
・モラハラで夫を訴えたい。
・妻は夫(私)のことをモラハラというけれど、
私(夫)としては妻もモラハラだと思うけれど
どうなのか知りたい。
・・・etc.
本当にモラハラに関しては
たくさんの質問が来るのも
毎日のこととなっています。
それにしても
モラハラということばが一般化して、
誰もが知っていることばになったのも
ここ3~4年のことのように
思えます。
その前は、
夫婦のご相談では、
浮気、ギャンブル、DV(身体への暴力)、
アルコールなどの依存症についてが
多かったのですが、
今は、浮気とモラハラ、DVとモラハラ、
依存症とモラハラetcと
必ずモラハラがプラスされている気が
しています。
そもそもモラルハラスメント(モラハラ)については
TVやマスコミで騒がれすぎているため、
本当の意味や状態が誤解されていたり、
間違って認知されていることも
非常に多いと思います。
他のカウンセラーにモラハラだと言われた
と言って来る人もたくさんいます。
ここ横浜心理ケアセンターでは、
弁護士の先生と協力体制を持っておりますので、
法的にひっかかってくる状況に関しましては、
慎重にこの「モラハラ」に対しては
判断しています。
このことばに対して
最終的にジャッジできるのは
裁判官になるのだと思っています。
カウンセラーがこの言葉を使って
決めつけることは
とても危険であり
無責任なことであると考えています。
なぜならば、
モラハラはDVとは違って
ことばの暴力ですので
わかりやすい証拠も少ないですし
夫婦や男女の間では、
価値観のずれや考え方の違いで
けんかは当たり前であり、
その中でのお互いの売り言葉に買い言葉は
よく見られるものです。
そしてモラハラこそ、
裁判で決められる事は
非常に難しいのも、事実です。
モラハラであるのか
モラハラではないのか
ということが
一番大切なのではなく、
相手が自分のことばで
傷ついたり、苦しんだり、
悩んだり、
恐怖を抱いたり、絶望したり、
そしてこれ以上一緒にいることが
苦痛でしかなくなっているという状況に
陥らせたこと自体が
大きな問題なのだと
私は思います。
夫婦は、どちらか一方が
どちらかの所有物でもなければ、
上下関係の上に成り立っているものでもなく、
夫婦はそれぞれの役割を尊重、尊敬した上で
一緒にいるという意味では
お互いに平等であると思っています。
また、夫が妻に対してだけしているのではなく
妻側も夫に対して、
ひどい言葉を吐き出している場合も
少なくはありません。
これらをすべて
モラルハラスメントと定義することよりも、
なぜ、傷つけあわなくてはいられないのか、
なぜ、怒りをコントロールできないのか、
なぜ、相手を追い込んでしまうのか、
何が、相手を怖がらせたのか、
その時の自分は何を考えていたのか、
何かストレスはあったのか、
どうしたら思いやりのあることばを
言えるのか、
思いやりとは何か、
自分は相手ばかりを責めてはいないか、
いいコミュニケーションをとれるように
するにはどうしたらいいのか・・・
私はこういった事を
カウンセリングの中で
考えていただくために
お互いのエゴグラム(心理検査)で、
お互いの性格を知り、
相手を理解する方法を学んだりの
サポート役をしています。
ここでは、2人同時のカウンセリングも
夫婦別々でのカウンセリングもしています。
そして最後は、
いいコミュニケーションがとれるように
なっていくために、
お二人同時の前向きな修復のための
カウンセリングへと進んでいきます。
こういったプロセスを経て、
素敵な夫婦になっていった人たちを
たくさん見てきました。
モラルハラスメントの定義だけではなく、
もう一度、お二人で向き合ってみませんか。
その方たちなりの
夫婦の形が在るものだと
私は思っています。
当センターでの夫婦のカウンセリングについてはこちらをご覧ください。
http://shinri-care.com/couple/